この記事をまとめると
■永年にわたり燃費で苦労してきたロータリーエンジンが見直されている
■ロータリーエンジンをEVの走行距離延長用発電エンジンとしてマツダが採用予定
■ロータリーエンジンは省スペース・少振動でレンジエクステンダーに向いている
燃費で劣るロータリーエンジンは動力源としては不利だった
ロータリーエンジンは、燃焼室の形状が長方形になり、通常のレシプロエンジンの円形に比べ形が悪いので、完全燃焼させにくい。点火プラグから燃焼室の端までの距離が、長辺と短辺で異なるからだ。短辺で燃焼を終えても、長辺の燃焼が終わり切らないうちに排気行程へ進んでしまう懸念がある。したがって、永年にわたりロータリーエンジンは燃費で苦労してきた。
一方、あまり回転数を上げなければ燃焼効率を高める可能性はあり、また燃焼室が回転することで移動するため、燃焼温度が高くなりすぎることがなく、水素エンジンとしての可能性もレシプロエンジンに比べて高い。あるいは燃料の質にあまりこだわらないので、排出ガス浄化性能はともかくも、さまざまな燃料でエンジンを回すことができるので、災害時などの緊急用としても役立つ可能性がある。
以上のような特性を踏まえ、ロータリーエンジンを電気自動車(EV)のレンジエクステンダー(走行距離延長)用の発電エンジンとして、マツダは今秋MX-30に採用する予定だ。