厳重な対策にかかる費用は車両価格の1割程度
それでは対策だが、上記のキーの電波ジャックは電波を遮断する袋にキーを入れる方法。さらにイモビカッターについてはイモビカッターガードを付けておくのは基本だろう。
そして全般的な対策だが、安くて効果があるのが物理的に動かしにくくする方法だ。ホイールそのものにかけるロックやハンドルロック、またブレーキのペダルを押さえたままにするバーもある。これらを取り除いて動かせるようにするのはかなり手間と時間がかかるので、防犯効果は高い。ただ、レッカーを持ってきて、ウインチで引っ張るという大胆な方法で盗む場合もあるので、その場合は効果が薄れてしまう可能性もある。
本格的な対策としては、高級セキュリティシステムをインストールするのがベストだ。カプラーに割り込ませてポン付けではなく、専門店で1台ずつ異なる配線の取り回しをするなど手間をかけた作業をしてくれるものを選ぶのが重要で、近づくだけで発報したり、異常を手元のスマホやリモコンに通知してくれるものもある。最悪の場合は、遠隔でエンジンがかからないようにすることできたりするなど、防御力はかなり高い。
そのような専門店に聞くと、予算の目安として、車両価格の1割という答えが返ってくることがけっこうある。300万円なら30万円といったところだが、大切な愛車を守ってくれる保険として考えるしかない。盗まれてもほぼ戻ってこないだけに、後悔先に立たずだ。またちゃんと作業してもらえれば長い期間使えるので、長い目で見れば負担はそれほど大きくもない。
最後に基本となるのが、止める場所だ。今や家の玄関横でも盗まれる時代だが、露天の月極駐車場は非常に危険。できるならシャッター付きがベストだが、そうそう借りることはできないし、これとても逆に中でなにをしているかわからないだけに、問題だという意見もある。
考え出したらきりがないが、シャッター付きの効果は大きい。シャッターを開けるのにも手間がかかるし、そもそも普段から見えないので目を付けられる可能性も低くなる。外から丸見えの自宅駐車でも、門扉を付けたりするなどの対策をするといいだろう。また猛者のなかには、バイクの極太チェーンを柱にくくりつけている人がいたが、とにかくやれることはすべてやるのが最大の対策だ。「面倒だな」と思うかもれしないが、その面倒というのは犯人にも言えることで、できるだけ面倒と思う対策をすることが大切だ。