ついに9代目は日本で発売されず!
2011年に、当初の予定から遅れてデビューした9代目は北米で先行発売。その人気は絶大で、北米の小型車市場の販売台数でNO.1になっている。が、残念なことに、フィットの存在、そして2013年にフィットにセダン版が追加されることが分かっていたため、海外向けにはあるハッチバック、セダン版ともに日本仕様はなく、海外専用車となってしまったのだ。
そして2017年の初頭、なんと東京オートサロンの会場で、10代目のハッチバック、セダン、タイプR(イギリス工場製)の日本仕様がお披露目されることになる(発売は9月)。つまり、シビックの日本回帰(祝)である。グローバルプラットフォームを用いた(非センタータンクレイアウト)ハッチバックモデルの3サイズは全長4520×全幅1800×全高1435mm、ホイールベース2700mmで、堂々たる3ナンバーサイズとなった。1800mmの全幅よりワイドに見えるのは、ボンネットのデザイン、全高の低さによるものと言っていい。キャッチフレーズは「Go, Vantage Point.」だった。
すごいのは、英国生産限定750台のタイプRの人気ぶりで、ニュルブルクリンク7分43秒80のFF最速記録を樹立した、320馬力!! の”FFのスーパーカー”と呼んでいいシビックなのだから。ちなみに価格は、「市民の」という車名にして、よ、よんひゃくごじゅうまんえん(450万円)だった……。
そしていよいよ、6月24日に世界初公開、8月正式発表、秋発売の11代目の登場を待つことになる。例によって存在するグランドコンセプトは「爽快シビック」。爽快が漢字なのに違和感ありだが、たぶん、気持ち良く、爽快に走ってくれる「爽快シビック」に違いない。
スタイリッシュさを増した現代の、最新のシビックがどう進化しているのか。パッケージングやe:HEVを採用した走り、動力性能、ダイナミクス、ホンダセンシング、コネクテッド機能などに11回目(日本では10回目)の驚き、感動はあるのだろうか。2022年発売予定のタイプRを含めた3ナンバー必至のハッチバックのボディサイズも気になるところである。
このところ、海外市場での活躍、人気が目立つシビックだが、ホンダの車種整理(オデッセイ、レジェンド……)真っただ中の今、新型が日本でどう受け入れられるかも興味津々だ。とはいえ、こうして、シビックの歴史を長々と語れるところ、そしてホンダの基幹車種である(はずの)シビックの約50年、11代に及ぶ長い歴史、世界約170か国、2700万台以上を販売してきた超ロングセラーぶりもまた、シビックが誇る偉大さではないだろうか。11代目の日本デビューはもうすぐだ。