電気とガソリンのいいとこ取りのはずなのだが……
プラグインハイブリッド車(PHEV)は、電気自動車(EV)普及を前にエンジン車やハイブリッド車(HV)からの移行として最適との意見がある。しかし、少なくとも日本市場において、その価値観は当てはまらない状況にある。
最大の理由は、マンションなど集合住宅における管理組合問題だ。これは、集合住宅の駐車場が住民の共用部分となるため、そこに普通充電(200V)用のコンセントを設置しようとしても、住民の代表で構成される管理組合の承認を得なければ工事ができない問題だ。管理組合は、建て替えはもとより、外装の修繕、エレベーターの管理など含め、住民共用部分の改善や修理に関して協議し、実行の可否が決められる。したがって、EVやPHEV用の200Vコンセント一つ取り付けるにも、協議に諮らなければならないのだ。ここで、ほとんどの場合否決されてしまう。したがって、共同住宅に住む人がEVやPHEVを自宅で充電できない状況が10年以上も続いている。
また、充電設備がすでに設けられている場合も、その利用に関して住民でありながら許可が下りない事態も起きているようで、訴訟に発展した例もある。管理組合は住民の代表で構成されるはずだが、実務はマンション開発業の関連会社が代行している場合があり、多くの住民が負担に思わないよう忖度し、個人の都合に関しては配慮が行き届かない実態があるようだ。