ワークスの意地が現れたスパルタモデルたち
■スバル
3)Sシリーズ
STIのコンプリートカーであるSシリーズの歴代モデルはエンジン内部にも手を加えられる。
エンジンチューンのメニューはバランス取りも含めハンドビルドされたエンジンにタービンの変更というのが定番だが、2017年のS208以降はクラッチのバランス取りや4代目レガシィのS402では排気量を2リッターから2.5リッターに変更するといったチューニングが行われるモデルもある。
クルマの仕上がりはどれもコンセプトに合わせた完成度の高いものになっているのは言うまでもない。
■番外編
4)アルテッツァトムス280T
アルテッツァトムス280Tは「クルマが良すぎることもあって、パワーが足りない」という意見の多かった2リッター4気筒NAのアルテッツァに、後付けターボを加えることで280馬力にパワーアップした100台限定車である。
ほどほどのパワーということもあり、ターボ車ながらハンドリングやコントロール性も良好で、理想的なアルテッツァの1台だった。
5)富士スバルTC380&千葉スバルC01F
この2台は両ディーラーが手掛けた、ラリードライバーの新井敏弘選手がプロデュースしたVAB型WRX STIのコンプリートカーだ。
前者はHKSのタービン、排気系の装着により車名が表す380馬力、後者は触媒をHKS、マフラーをトラスト(この接続はメーカーが違うだけに困難だったという)としたブーストアップ仕様で350馬力程度という内容で、コンピュータのセッティングは新井敏弘選手が主宰するアライモータースポーツ社が担当した。
乗ると前者は「公道では飛ばさない自制心が必要(というくらい速い)」、後者は「ノーマルがこのくらいでもいいのに感じる楽しいパワー」といった印象で、いずれもパフォーマンスに加え、ディーラーからこういったクルマが登場した点にも強烈なインパクトがあった。