誕生には合理的な理由があった! 国産ではRX-7を最後に消えた「リトラクタブルヘッドライト」 (2/2ページ)

規制緩和でメリットの少ないリトラクタブルヘッドライトは全滅

 しかし、アメリカでもライトの最低地上高規制が緩和され、定型ライトではなく、異型ヘッドライトが認められるようになったことで、部品点数も多く、コスト高でオーバーハング重量の増加にもつながり、対人事故時の安全面でも不利になるリトラのメリットはほとんどなくなり、国産車ではマツダのFD-3Sを最後に姿を消すことに……(海外でも量産車では2005年のシボレーコルベットのモデルチェンジが最後)。

 ただ理屈の上ではメリットがなくなったとしても、心情的には今でもリトラに惹かれるものがある。

 メカニカルな仕掛け自体が面白いし、クルマの顔の表情を決めるヘッドライトが飛び出たり収納できたりというのは、一種の“変身”!

 この魅力には、機械好き・クルマ好きとしてはなかなか抗えないものがあるはずだ。

 義務化となるオートライトや、ヘッドライトの走行時終日点灯を義務付けている国や地域のことを考えると、この先もリトラ復活の可能性は低いかもしれないが、デザインの多様性と現代のクルマにはない付加価値として、あえてリトラを採用するクルマが出てきてもいいのでは?


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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