市販する予定だったがその後計画が頓挫するケースもある
まず1つの理由として、発売に向けて動いていたものの、さまざまな事象によって計画が白紙となったというケースがある。
前述のS-FRなどは、2016年4月にトヨタが社内カンパニー製を導入したことで社内の仕組みが変わり、単体で利益を出すのが難しいと判断されたために開発が凍結されたとも言われている。
また昨今のコロナ禍においては世界的に経済の情勢が大きく変化してきているため、新型車の開発やリリースを見直しているメーカーもあると言われているのだ。
そのほかの理由としては、市場の反応を見るためにコンセプトカーをリリースした、というもの。日産のIDxなどは、モーターショーではコアなユーザーからの大きな反応を集めたが、それ以外の一般ユーザーの反応を考えると、専用のFRプラットフォームを作ってまでリリースするほどの需要はないと判断されたのかもしれない。
どちらにしても、自動車メーカーもクルマが売れてくれなければ事業を存続させることができないので、いくら一部のマニアが大きな声で歓迎しても、利益を生み出してくれる可能性の低いモデルは実際にリリースするには至らないというのが現実、ということなのだろう。