最近は強化クラッチでも扱いやすくなっている
280馬力だったR32GT-RやNSXでもこうしたクラッチが必要だったので、チューニングしてパワーアップしたクルマには、いわゆる強化クラッチが必須だった。
強化クラッチは圧着力が強いのでさらにクラッチペダルが重くなり、ディスクの摩擦係数が高いので、半クラッチが使いづらくて操作性は悪いのがデメリット……。
しかし、最近ではチューニングカーでも、クラッチペダルが重たくて、半クラッチが使いづらいクラッチは少数派となってきた。
それは素材の進歩の影響が大きい。代表的なのはNISMOのカッパーミックスクラッチ。カッパーミックスは、文字通りノンアスベストを基本に特殊製法で銅(カッパー)の含有量を飛躍的に高めたクラッチディスク。ノンアスの使いやすさとメタル系の伝達力のいいとこ取りをしたクラッチで、「カバーの圧着力を変えずに許容出力を上げる」「渋滞時の操作性を改善し、誰もが普通に使えるスポーツクラッチに」という目標をクリアしている。
また、カーボンクラッチも操作性と伝達力に優れた理想のクラッチとして注目を集めているが、他のカーボン製品と同じく、コストが高いのだけがネックになっている。