この記事をまとめると
◼︎プレミアムコンパクトカーは今まで成功しずらかった
◼︎日本の新車開発環境とプレミアムコンパクトカーは相性が悪い
◼︎ベース車両の完成度の高さがポイントだ
数多くのクルマがプレミアムコンパクトに挑み消えていった
2021年6月に発表されたノートオーラについて、メーカーは「上質にこだわった」という。いわゆるプレミアムコンパクトカーだ。
驚いたのは販売目標で、1年間に5万1000台/1か月当たり4250台に達する。2020年に発売されたノートの月販目標が8000台だから、ノート+ノートオーラのシリーズ全体では1か月に1万2250台を目指す。この内の35%をノートオーラが占めるわけだ。
ちなみに現行ノートは、先代型が設定していたノーマルエンジンを廃止した。この販売比率が25〜30%だったので、ノートオーラは、台数の上ではノーマルエンジンの穴埋めをする役割も担う。
そして先代ノートのノーマルエンジン車は、売れ筋価格帯が150〜160万円、ノートオーラは260〜270万円だ。穴埋めが成功すれば、相当に効率が優れている。
そのためにノートオーラは価格を割安に抑えた。ノートオーラGの価格はノートXに比べて約42万円高いが、この内の26万円は、ノートオーラが装備を上級化したことに費やされる。残りの約16万円で、内外装の質を高めたり、動力性能や走行安定性を向上させた。
余談だがこのような買い得な派生車種を半年後に追加するなら、2020年にノートを発売した時点で、日産はその存在を公表すべきだった。ノートにプロパイロットなどを装着して、総額270〜300万円で購入したユーザーは、「もっと早く教えてよ!」という気分だろう。