ドライバーの操作と車両状態を記録して事故原因究明に役立てる
2022年夏ごろからEDRを義務化することを国土交通省が発表したという報道が話題となったことを覚えているでしょうか。そのきっかけになったのが池袋暴走事故という話もあります。交通事故の原因解明に役立つというEDRとは、そもそもどのような機能なのでしょうか?
もはや自動車好きであればご存じでしょうが、あらためてEDRの由来はといえば「イベント・データ・レコーダー」の略称です。ここでいう「イベント」とはSRSエアバッグが開くようなアクシデントのことを意味しています。そこに至るまでの状況、つまりイベントが起きたときから5~35秒程度さかのぼって記録しておく機能ということになります。
EDRという機能自体は、すでに20年ほど前から存在していますし、その採用も広がっています。たとえば、トヨタでは2012年以降はすべての新型車にEDRが搭載されています。また、ADAS機能との連携も進んでおり、カメラやミリ波レーダーなどを積んだ乗用車の多くにEDRが備わっています。最近では軽自動車にEDRが搭載されていることも珍しくはありません。
とはいえ、日本においては装着義務ではないので、まだまだEDR機能を持たないクルマも存在しています。ちなみに、アメリカでは2012年から乗用車や小型トラックなどにEDRの搭載が義務化になっています。これは交通事故原因を解明するためというのが目的でした。そのためグローバルモデルではEDR機能を搭載していることが多数派という状況です。