ホンダ=VTECを定着させたスーパースポーツたち
3)インテグラタイプR(DC2)
VTECエンジンが身近なところで超高性能スポーツエンジンとして認識されるようになったのは、1995年にデビューしたインテグラタイプRから。
インテグラタイプRは、「NSX-R」の考え方・手法を取り入れた、メーカーが作った高性能チューニングカーで、軽量化とボディ剛性のアップ。サスペンションのチューニングと、高出力化したエンジンを与えることで、誰もが認める一線級のスポーツカーに仕立てられた一台。
とくにDC2は、「曲がらない」と言われたFF車から、「曲がるFF」となった革新的なクルマとして記憶されている。
その心臓部は、手作業でポート修正作業まで行なわれた「B18C 96 spec.R」。
1.8リッターで200馬力=リッターあたり111馬力は、NAエンジンとして当時の世界最高レベル。
4)S2000
1990年代の最後の年、1999年にホンダの創業50周年を記念して作られたのがS2000。
ファン待望のFRスポーツは、期待以上のパフォーマンスで、新骨格オープンボディのハイボーンXフレーム構造のシャシーをはじめ、エンジン、ミッションなど主要部分がすべて新設計の専用部品という力の入れよう。
とくにF20Cエンジンは、JTCCアコードのレーシングユニット=H22A改のデチューン版ともいえる内容で、ローラー同軸VTECロッカーアームを新たに採用。動弁系のフリクションを70%低減。量産エンジンながら9000回転まで回せる驚異的なエンジンとなった。
しかもF20Cはただの高回転高出力エンジンではなく、250馬力=リッターあたり125馬力のパワーと、環境性能とレスポンス、エンジンの小型化などを同時に達成。
間違いなく世界最高水準のエンジンだった。