スズキ・バレーノは登場が早すぎたか
国内で販売される日本車でも多くのモデルが3ナンバーサイズとなり、あのカローラも3ナンバーとなったのは記憶に新しい。そこで3ナンバーサイズでも全幅で1750mm未満なのか、それとも1750mm以上かを購入の際に重視する人も増えてきたのである。つまり1750mm未満ならば”セーフ”というのである。オーラの全幅は1735mmとなるので、前述したロジックでいけば”セーフ”となるのである。
トヨタではアクアより上級のハッチバック車では、カローラスポーツがあるのだが、こちらは1790mmとなる。SUVでは、カローラクロスがデビューすれば隙間のないSUVラインアップが構築できるのだが、ハッチバックでは隙間を埋め切れていないというか、オーラの好調な販売状況は意外であり、そのようなカテゴリーが人気になることを予測しきれなかったようである。少し前まで、スズキはバレーノという3ナンバーサイズのコンパクトハッチバックをラインアップしていた。インド製が輸入されていたのだが、インドでは”上級ハッチバック”として、スズキ版レクサス店のような”NEXA店”で販売されている。バレーノも、もう少し遅く発売されていれば……、早すぎたゆえの販売終了だったかもしれない。
バブルの頃に、3ナンバー専用ボディでデビューした、日産シーマが、”シーマ現象”なる言葉を生むぐらいの大ヒットとなり、当時のクラウンを結果的に滅多打ち(クラウンも3ナンバーサイズはあったが)してしまったという、昔話を思い出してしまった。
いまのトヨタの販売力を見れば、オーラは新型アクアの”目の上のコブ”くらいまでにはなりそうだが、それ以上というのはなかなか想像できない。それでもトヨタをちょっとだけでも嫌な気持ちにはさせているようである。