「ド素人」女子編集部員が２カ月の練習でガチ大会に参戦！いま注目のeモータースポーツ「JeGT第３戦」

スタートの瞬間スピン！　乾、ここまでか……

　そしてついにRd.3本番。予選レース1を兒島さん、予選レース2を乾が担当。予選レースはA・Bの2グループに分けて行われる。この結果によりルーザーズレースに進むか、決勝レースに進むかが決まるのだ。

　ちなみに今回は、Rd.2まで会社に来てくださっていた兒島さん、大田さんが、コロナ対策として自宅から参戦。傍らで指導を受けられないのは心細かったが、ZOOMやLINEなどで繋がり、チーム一丸となった。

　まずは師匠が予選レース1でマウントパノラマを走行。私と同じコース、同じマシンとは思えない走りで7番手につける。私が出した奇跡の自己新記録（しかも単独走行）より6秒も速いタイムで本番を走り切ったが、トップは2分1秒台と、かなりハイレベルな戦いとなっていた。

　そして予選レース2は1台出走せず、私は6番手からスタートすることに。緊張で震える右足でアクセルをベタ踏みし、スタート……？　1秒もたたずして、見たことのない世界が眼下に広がる。マウントパノラマってこんなところだったっけ？　いや、スピンしてる！！！

　走り出しのみ自動で行われたあと、オートドライブが切れるローリングスタート。周回の練習は重ねてきたものの、ローリングスタートはレースで初体験だった。前日のレディースカップではなんとか耐えたものの、Rd.3ではコーナーの途中でオートドライブが切れるポジションだったため、対応できず撃沈。パニックでなかなか復帰もできず、今日まで指導してくださった方やチームのメンバー、そしてレースのYouTube配信を見ると言ってくれていた実家の両親の顔が走馬灯のように浮かんでくる……。

　すると「レースをやり直します」という運営の方のアナウンスが耳に入る。何事？　なんと通信エラーが発生し、リスタートとなったらしい。何という僥倖！　地獄に仏をみた気分だ！

　命拾いをし、改めてスタート。次はふんわりアクセルで無事に走り出した。途中までは6位を守りながら走ったものの、2周目の後半で2台のクルマに抜かれたあと、3周目の上り区間でスピン！　しかし、ナイジェル・マンセル並みの180度ターンを決め、そのままコースに復帰できたのが不幸中の幸い。出走したなかでは最後尾の8位という悔しい結果ではあるが、なんとか最後まで走り切ることができた。

　その後、ストレートで決勝には進めなかったため、大田さんにルーザーズレースを託す。「問題なければイケると思います！」といった出走前の大田さんの頼もしいコメントに期待大。

　会社にいるメンバーで祈るようにしてレース画面に釘付けになっていると、なんと有言実行、WEB CARTOP号が3位で戻ってきた！　会社では皆、狂喜乱舞。WEB CARTOP RACING、Rd.3にて初の決勝進出だ！

　そして決勝レースのステアリングを握るのは、再び師匠。舞台はブルームーン・ベイ・スピードウェイに変わる。A・Bグループそれぞれから勝ち上がった12チームが出走。直前まで通信で繋ぎながらコースを走り、タイヤ交換のタイミングなどを検討する兒島さん、大田さんを見ると、当たり前だが、改めてプロなのだなぁと実感した。決勝レースではミスなく作戦通りに走行し、10位でフィニッシュ。私には完璧な走りにしか見えないのだが、それでも悔しそうな兒島さんをみるとeモータースポーツのレベルの高さ、奥深さが窺い知れた。

　教わったことをひとつひとつ身につけることで、タイムが上がっていく嬉しさ。チームで一体となってポイント獲得を目指したり、応援したりすることの楽しさ。初めは右も左も分からず、不安でしかなかったが、気づいたらeモータースポーツの世界を満喫している自分がいた。

　想像以上に難しく、だからこそ楽しく、奥深いeモータースポーツ。この魅力はぜひ多くの人に味わってもらいたい。

　また通信によって、離れたところにいる人と会話をしながら一緒に走ることができるeモータースポーツは、コロナ禍でも存分に楽しむことができるだろう。

　ということで、最終戦は最若手の秘密兵器、篠田を召喚。次回のリポートもお楽しみに！

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