企業規模とブランド価値はイコールではない
こうやって数字で並べると上位5社と下位3社で販売規模感が大きく異なっている。自動車業界の再編というのはよく言われるテーマだが、このランキングを眺めていると、たしかにアライアンスを組まないと生き残るのが難しい規模のメーカーもあるということが感じられるのではないだろうか。
とはいえ、自動車というのは高額商品であって、価格の幅も広い。つまり販売が売上高に比例するわけではない。最後に、各社の売上高をランキングにして整理してみよう。
ここでは、各社が2020年度の決算で発表した数字を並べてみた。気を付けてほしいのは、各社は自動車以外のビジネスも展開していることだ。ご存知のように、ホンダとスズキは二輪事業をグローバルに展開しているし、SUBARUが航空機事業を手掛けていることも知られている。企業としての売上高にはそうしたさまざまな事業が含まれる。
そして、ここではSUBARUが健闘しているのに注目したい。SUBARUのラインアップはOEMを除くと、エントリーがCセグメントのインプレッサとなっていて、付加価値商品であるSUVがメインとなっている。そのため販売規模に対して売上高は大きい傾向にあるのだ。
ほかにもさまざまな指標で自動車メーカーをランキングすることはできるだろう。おそらくほとんどの指標でトヨタが圧倒的となるはずだ。ただし、ここに並べた3つの指標においても国内販売でスズキが2位だったり、グローバル売上高でSUBARUが4位だったりと、各社のポジションは指標によって変わってくるのも興味深いところだ。
もちろん、企業規模と商品力は別物であるので、ここで紹介したランキングはブランド価値を単純に示すものではないことにはご留意いただきたい。