チューブをいれたタイヤは1本あたり約1kg重くなっている
そのほか、泥や石の跳ね上げを抑えるべく、マッドフラップを装着するほか、石やワダチなど床下からの衝撃を守るべく、フロントに金属製のアンダーカード、リアのアーム類に樹脂製のカードを装着したこともグラベル仕様車のポイントで、飛び石から守るためにリアフェンダーの前部にガード類を装着するなど各部の補強に余念がない。
リヤバンパー内部に泥が付着するとその重みでバンパーが外れやすくなることからジョイント部を補強するなど、グラベルではターマック以上にマシンに対する負荷が掛かることから、細部まで作り込みが行われている。
ちなみにターマックではコンディションが変化しない限り、スペアタイヤの搭載本数も1本が標準的だが、グラベルではパンクのリスクが高いことからスペアタイヤも2本搭載が標準的なパッケージで、加えてダンロップではリム破損によるエア抜けを防ぐべく、チューブの挿入を推奨している。
トヨタGAZOOレーシングもチューブを挿入しており、チーフメカニックの宮本昌司氏によれば「タイヤ&ホイールはコンパクトですが、チューブをいれているのでタイヤ1本あたり1kgぐらい重くなっています。アンダーガードなど補強類を含めるとターマック仕様車に対してグラベル仕様車は20kg以上重くなっています」とのこと。
さらに「初めてのグラベル戦ですし、これから夏を迎えていくので、冷却システムを含めて、改善すべきポイントが見つかれば対策していきたい」と宮本氏は語っているだけにGRヤリスのグラベル仕様車も進化を続けていくことだろう。
このように過酷なグラベル戦に備えて、グラベル仕様車はしっかりと補強が行われており、対策が行われているからこそ、ラフグラベルを異次元のスピードで攻略することができるようになっているのである。