世界を襲ったコロナ禍もなんのその! トヨタが世界最強の自動車メーカーたる所以 (2/2ページ)

トヨタは北米の市場回復が早かった

 それよりも気になるのは、前年比である。トヨタグループは11.3%減にとどめた一方で、フォルクスワーゲングループは15.2%減と減少幅が大きかった。

 トヨタグループとしては5年ぶりにフォルクスワーゲングループから首位奪還したが、要するにトヨタグループは”コロナ禍の影響を最小限に食い止めた”ことがフォルクスワーゲングループに対する勝因だといえる。

 仕向け(販売国)別に見れば、世界最大の自動車製造・販売国の中国に対して、フォルクスワーゲングループの依存度は高く、中国市場が他の国や地域と比べてコロナ禍の影響が弱まった時期が早かったことがフォルクスワーゲングループにとってプラス要因となったはずだ。

 ただし、地元ドイツを含めた欧州ではそれぞれの国でコロナ禍の影響に差があり、国や地域によっては大規模な規制であるロックダウンが行われた期間が長かった。それがフォルクスワーゲングループにとって大きなマイナス要因となった。

 一方、トヨタグループにとっても中国や欧州でのコロナ禍の影響はフォルクスワーゲングループと同じだが、トヨタグループの地元である日本市場でのコロナ禍による自動車販売の影響がグローバルで見ると比較的短く、また少なかったことがプラス要因だ。

 また、北米の市場回復が早かったことも、トヨタグループの販売実績を下支えした。

 別の見方では、トヨタグループと部品メーカーとの、いわゆるサプライチェーンの”きずな”の強さが証明される場面がいくつかあり、部品の安定供給という面では、フォルクスワーゲングループや第三位のルノー日産三菱アライアンスに対する優位点になったと考えされる。

 有事という非常事態だからこそ、各メーカーグループの底力の差が明確になったといえる。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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