ついにヤリスカップ始動! 91台エントリーの超人気レースにプレジデントが自ら参戦した (2/3ページ)

ヴィッツに比べるとブレーキが足りない

 今回WEB CARTOPではヴィッツレースでチャンピオン経験もあり、ネッツトヨタ中部の社内レーシングチーム、ミッドレスのドライバーで、GRガレージ・ミッドレス豊田のGRコンサルタントでもある神谷裕幸選手との対談をセッティングしてみた。決勝レース直前だったため短い時間になってしまったのは、少し残念だった。

神谷:ボクは初代のヴィッツレースから出場してきたんですけど、やっぱりヴィッツレースがあったからレースを始めることができた人も居ましたし、今でも参戦を続けている人も居ます。ファンも多いですし、他のカテゴリーにステップアップしても、また戻ってくる人も居ます。そういう意味でヴィッツレースというのは、凄いレースだったなと思いますね。それが今シーズンからヤリスへ変わって、今までヴィッツレースをやって来た人も居ますけど、新しく参戦を始めた人たちも少なくないので、これまで以上の盛り上がりになっていくんじゃないかなと、思っています。

新郷:プラットフォームやパワートレインを一新してヤリスになったわけですけど新型ヤリスにはどんな印象を持ちましたか?

神谷:やっぱりプラットフォームが一新されたこともあって、ヴィッツから確実に進化してますよね。最初に乗った印象からすごく良くて、乗り心地もいいし、トルクもある。今回のマシンの慣らしもやったんですけど、長時間乗っていても疲れないですよね。クルマとしてすごくいいなと思いますよね。

新郷:レースマシンとして見ると、どうですか?

神谷:レースという面から見ると、フロントのディスクブレーキのサイズが小さくなっていたり、リヤがドラムブレーキになってしまっているのは、少し心配ですね。じつはブレーキについては、テストから苦労した部分でしたね。

新郷:ブレーキが足りないというのは、具体的にはどういうことなんですか? ボクは今回初めてレースに参戦しているんですが、最高速からフルブレーキングするとフラフラして不安定になるんだけど、それはホイールベースが短いからなのかな、と思っていたんですけど。

神谷:熱の問題ですね。3種類のブレーキパッドを試したんですが、硬いパッドだとブレーキが利かないし、利きを上げていくと熱がすごくなってしまってローターが600℃を超えてしまうんですね。そうするとブレーキだけじゃなくて、ハブベアリングなどにも熱害が出てしまうと思うんです。そのあたりはディスクローターが1インチ小さくなって、しかも厚さも薄くなってしまっているので、厳しいですよね。

新郷:ほかに不安材料というか、懸念されている問題はありますか?

神谷:ヴィッツはすでに熟成が進んでいたので、トラブルなどはなかったんですけど、構造的にも軽い接触などでボディパネルが損傷したような場合でも、ボルトで外せるような構造だったので、楽でしたね。それがヤリスになって一部で樹脂が使われていますが、どうなるのか少し不安ですね。

新郷:樹脂というと具体的にはどの部分ですか?

神谷:バンパー内側の取り付け部分ですね。レースでは前後のマシンと軽く接触してしまうようなこともあるんですけど、ヴィッツの時はボルトで外してパーツ交換すればバンパーが元どおりになったんですけど、ヤリスは樹脂になったのでちょっと変わってくるのかな、と思っています。

新郷:なるほど。ところで神谷さんは、ヴィッツレースから86レースへステップアップしてきましたが、ヤリスカップ参戦はどういう理由ですか?


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