履いた瞬間に実感! 運転がいつも以上に楽しくなる逸品!
まずシューズを渡されて持った瞬間に唸らされた。このシューズ、めちゃめちゃ軽いのだ。ランニングシューズといっても過言ではないほどで本当に軽い。聞くと、「靴として必要最低限の機能を突き詰めていくとこうなります。ミズノでは靴は軽ければ軽いほどいいので、それが形となりました」とサラッと一言。さすがミズノである。重さは27cmで片側約270gとのこと。今回試着したのは26cmだ。
試乗で選んだクルマはもはや説明不要のロードスター。マツダのシンボルとも言えるようなオープンスポーツだ。出発前にドライビングシューズを履いて、帰りにいつものスニーカーを履いて欲しいとの説明を受けた。さっそくクルマに向かって歩いてるときからこの靴の凄さを実感。先に触れたソールに使用される「MIZUNO COB」が歩くのに凄くいい柔らかさを発揮し、ウォーキングシューズとしても差し支えないレベル。軽さも相まって極めて軽快だ。
しかしこれはあくまでドライビングシューズ。運転してからその力をさらに発揮。先ず、0.01mm単位にまでこだわって設計したというシューズ業界ではありえないというソール。厚すぎず薄すぎずでペダルワークが極めてやりやすい。普通の靴では10、20、30……といったイメージでペダルコントロールをできるとすれば、このシューズは5、10、15、20……いったように、さらに細かい操作が可能になる感覚だ。ブレーキタッチもかなり繊細にできるので、よりクルマを丁寧に走らせることができるだろう。これは、ドライバーにもクルマにも優しいだけでなく、同乗者にも優しいのでいいことづくめ。
今回試乗したクルマがロードスターということもあり、まさに人馬一体を体現してくれる道具だ。あまりにも運転しやすいので、まるで自分の運転が上手くなったような錯覚に陥ってしまうという、ある意味麻薬のようなシューズだ。デートでこれを履いていたら、「運転上手いですね!」と褒められるかもしれない。
そして今回試乗したロードスター、こちらはMTなのでヒール&トゥというのも受け入れてくれるクルマなわけだが、運転時の足の動きを的確にサポートしてくれるだけあってとてもやりやすい。ヒール&トゥだけでなく、普段のアクセルからブレーキに移動するときなどのペダル間の移動も極めてスムース。まるで足の動きをサポートしてくれる教官のような存在だ。
ちなみに足首にあるベルトだが、これは「右はキツめ、左は緩め」とすることで、クラッチ操作がやりやすくなるメリットもあるそう。
帰りには普段履いているスニーカーを使用したが、疲労度やペダルワークに対して明確な体感差が出た。はっきり言って、このドライビングシューズを試したあとでは、いつものスニーカーが「これは靴か?」と疑いたくなるレベル。それほどまでにこのマツダのドライビングシューズは素晴らしいアイテムだ。ドライビングシューズの究極系がレーシングシューズだが、そもそも歩くのに向いていないのと、カラーリングの観点などから普段使いは少し不自由だろう。
と、試乗して買う気満々モードにまでなったが、マツダとミズノ共同開発という点、日本製という点で価格が心配だ。10年ローンとかで買えるかどうかを考えながらR&Dセンターへ戻った。