北米市場ではすでに販売され、中国や欧州でも発表されている
世界的なブームを巻き起こしているSUV。日本国内でとりわけ好評なのはミドルクラスのSUVだ。そんな人気カテゴリーに属する1台が日産エクストレイルである。日本に先駆けて北米、中国、欧州で発表された新型エクストレイル(ローグ)を取り上げながら、日本での発売について分かっている内容をまとめた。
■新型エクストレイル情報①北米市場では発売済み
日本での発売が待たれる新型エクストレイルだが、北米では2020年10月に3代目ローグとして発売されている。エクストレイルとローグの関係性は深く、2代目ローグが登場する際に3代目エクストレイルと姉妹車になっている。
3代目ローグのボディサイズは全長約4648mm、全幅約1839mm、全高約1699mm(インチをミリメートルに換算)。
外観は迫力のあるスタイリングが特徴で、日産車を象徴する大型のVモーショングリルをはじめ、薄型のLEDヘッドライトを配置したことで力強さが存分に表現されている。リヤデザインは先代ローグと大きくは変わらないが、テールランプは横長となり、ワイド感が強調された。装着されるアルミホイールはグレードによって異なるが、17〜19インチのアルミホイールが設定されている。インテリアは先進性と高級感を両立。大型ディスプレイを中央に配し、メーターはフル液晶ディスプレイを採用する。
搭載するエンジンは2.5リッター直4エンジンにCVTを組み合わせた。最高出力は181馬力、最大トルクは3600rpm。新開発のプラットフォームにより、優れた運動性能を実現する。
もちろん、安全性能も高まっている。全方位運転支援システムの「セーフティシールド360」は全車に標準装備される。衝突被害軽減ブレーキは2台先を走行する車両を検知できるほか、自転車や後退時にも対応。さらに後方の並走車両の検知機能も付与された。プロパイロットも進化しており、カーナビの地図情報を活用することで高速道路のカーブや分岐などで走行速度を調節する機能も備わっている。
グレードは「S」「SV」「SL」と、2021年にキルトセミアニリンレザーなどを採用した「Platinum」が追加された。また、2WD(FF)と4WDの2タイプの駆動方式を用意し、全14グレードと豊富なバリエーションだ。4WDはオフロード、雪道、舗装路、高速道路、ワインディングなどあらゆる路面状況に対応できるよう、5つのドライブモードを備える。
ボディカラーはPlatinumグレードにのみローグ初となる5種類のツートーンカラーを追加したほか、8色の単色カラーを設定している。
■新型エクストレイル情報②上海モーターショーでの情報
2021年4月19日に開かれた上海モーターショーでは中国市場向けの新型エクストレイルが披露された。中国においてもSUVは人気が高く、事業構造計画「Nissan NEXT」のカギを握るモデルとも位置付けられる。
注目されるパワートレインは1.5リッターの可変圧縮比エンジンVCターボを搭載すると発表されるに止まった。最大トルク300Nm最大出力204馬力を発揮し、新世代CVTを組み合わせると燃費は17.2km/Lを達成するとみられる。
中国政府が推進する新エネルギー車のロードマップに貢献するべく、中国市場には2025年までに「シルフィ」など6車種のe-POWER車を用意するとも発表されており、中国向けのエクストレイルでも今後e-POWERモデルが登場しそうだ。発売は2021年下期の予定。
■新型エクストレイル情報③欧州日産のリリース
欧州日産が2021年4月19日に発表したリリースでは、欧州市場向けの新型エクストレイルを2022年夏に投入すると発表した。中国仕様のエクストレイルはガソリン仕様だったのに対し、欧州向けにはe-POWERを搭載すると発表されている。また、現行モデルと同様3列シートモデルも用意される。
欧州向けのエクストレイルに設定される4WDシステムでは、スノー、グラベル、マッドのドライブモードを用意し、オンロード、オフロードを問わず高い走破性能を持つ。