スポーツモデル=4-AG搭載車というのが浸透
2)7代目コロナ
同じく1.8リッターDOHCターボエンジンをスポーツフラッグシップとして搭載していた走りの4ドアセダン/2ドアハードトップのモデルが「コロナ」だ。コロナという名前としては最後のFRとなった7代目では、世間的なFFブームにあわせてモデル途中でFFとなった8代目が登場する。
つまり、コロナはFFとFRが併売されていた時期があるのだ。まさにその時期に限定してFRコロナには4A-Gエンジンが搭載されている。このあたりの状況はセリカと似ているが、FRコロナのエントリーグレードには1.5リッターエンジンが搭載されていたため、4A-Gを搭載した「1600GT」グレードはTWINCAMという文字が憧れの存在となり、1980年代には隠れたスポーツセダンとして人気を博した。
3)3代目カリーナ
世界的アクションスターの千葉真一氏がCMで「足のいいやつ」とキャッチコピーをアピールしたことで、スポーツイメージを強めたのが「カリーナ」。その3代目は、カリーナとして最後のFRモデルとなった。
ボディスタイルとしては4ドアセダンを中心に、3ドアクーペや5ドアワゴンを用意するといったラインアップで、フラッグシップグレードのパワーユニットは1.8リッターDOHCターボ。そして、ここまで見てきたように、スポーツグレードのエントリー系として4A-Gを搭載した「1600GT」などのグレードが用意された。当時、AE86よりもボディが丈夫という評判で、また「足のいいやつ」というイメージそのままにリヤサスペンションがセミトレとなっていたのも評価を上げていた。利便性に優れることもあって4ドアセダンをあえて選ぶファンも少なくなかったと記憶している。
というわけで、セリカ、コロナ、カリーナという3モデルがAE86以外で、縦置きに4A-Gエンジンを搭載したモデル。どれも1983年のマイナーチェンジで4A-Gを搭載している。これは、レビン/トレノに初搭載と謳った上で、横展開したということになる。
このように1983年当時は、けっして珍しいものではなかった縦置き4A-G搭載モデルたち。ただし、AE86がずっと大事にされているのに比べると、いずれも中古車としては流通しておらず、ほぼ生き残っていない。もし見かけるようなことがあれば、じっくりとチェックして80年代の雰囲気を味わって欲しい。