ヨーロッパのEV推進は「日本潰し」の戦略? 日本が「水素」を本命にすべき理由とは (2/2ページ)

欧州メーカーのEV推進は単なる戦略で本命は水素シフトだ

 ということで、今世界各地で水素社会実現のための取り組みが進んでいる。日本と関係が深いのはオーストラリア。同国では石炭からのエネルギー転換を目指していて、ここで作った水素を船で運んでくる予定がある。

 フランスは2020年に国家水素戦略を発表したぐらい本腰を入れているし、ドイツではダイムラーが燃料電池トラックの開発を進め、以前水素エンジン自動車を開発したBMWはトヨタと提携して燃料電池乗用車の市販化を進めている。

 燃料電池のエネルギーになる水素は、どこでも作れて、いろいろな使い方ができて、カーボンニュートラルにもなる。だからこそ次世代エネルギーとして注目されているのである。

 ヨーロッパはEV推しじゃなかったの? という人、あれは彼らの戦略だ。EUのウェブサイトにも、EVシフトは戦略でもあると書いてある。

 水素シフトについて言わないのは、燃料電池自動車では日本が先行していて、現時点では劣勢に立たされているからだと思われる。しかしこれまでもモータースポーツで日本が強くなるとルール変更で潰しにかかった前歴がある彼らのこと、どういう戦略を取ってくるかはわからない。

 仮に日本がヨーロッパの挑発に乗ってEVシフトを進めたら、次の日から水素シフトにいきなり舵を切るはず。そうならないためにも、日本はEVシフトなどの挑発に乗らず、燃料電池自動車でのアドバンテージをさらに広げるよう取り組むのが大切だ。


森口将之 MORIGUCHI MASAYUKI

グッドデザイン賞審査委員

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2023ルノー・トゥインゴ/2002ルノー・アヴァンタイム
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ネコ、モーターサイクル、ブリコラージュ、まちあるき
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