時速100km時に受ける抵抗のおよそ8割は空気抵抗によるもの!
先日登場した、新しいフォルクスワーゲン(VW)・ゴルフ=8代目ゴルフが、Cd値(空気抵抗係数)を大幅に改善し、7代目ゴルフに対し10%向上、0.30→0.27としたことをアピールしている。あのボディ形状でCd値0.27というのはかなり立派な数字だ。
空気抵抗は速度の二乗に比例するので、燃費性能への影響も大きく、操縦安定性や静粛性にも大きく関わってくる。
空力性能、エアロダイナミクスというと、レーシングカーの世界のようだが、じつは時速100km時の走行抵抗のおよそ8割は空気抵抗といわれていて、市販の乗用車でも重要な要素だ。
空気抵抗を減らすには、前方投影面積を減らすか、ボディ表面の凹凸を減らすのが手っ取り早い。
その究極が、ソーラーカーレースのレース車両。1990年代に多くのソーラーカーレースで優勝したホンダのソーラーカーのCd値は0.112。四輪車としては、あのような形状が、ある種の究極のロードラッグスタイルといえるはず。
ただし、あのカタチでは当然、居住性は望めない。
乗用車としての実用性と居住性を確保したうえでの、最少の空気抵抗となるとどのぐらいになるだろうか。
かつてVWが発売した限定車、XL1のCd値が0.189だったはずだが、この数字が現状ではリミット一杯といったところではなかろうか。
メルセデス・ベンツの2代目CLAも、Cd値0.22と突出した空力性能を誇る一台。
国産車では、トヨタのプリウス(4代目)がCd値0.24、ホンダの初代インサイトが0.25、そして日産GT-R(R35)が、あのゴツいボディで、Cd値0.26というのは特筆できる(しかも強力なダウンフォースと両立!)。
というわけで、現状では4人乗り以上の乗用車で、Cd値が0.25以下なら、世界最高水準といっても過言ではないはずだ。