ハンドリング性能や悪路走破性でアドバンテージを持つものも
走りの楽しさといえば、ホンダ・オデッセイはコーナリングが素晴らしい。オデッセイは車体サイズ的にはアルファードよりひとまわり小さなミニバンで、居住性やラゲッジスペースなどの実用面はやはりアルファードに分がある。パワフルなV6エンジンもオデッセイでは選べないアルファードのアドバンテージのひとつだ。
ただ、走り好きのドライバーが運転を楽しむのに欠かせないハンドリング面は、オデッセイが圧倒的に優位。単に限界性能が高いというだけでなく、ターンインから旋回、そして直進へともどっていく動きとそのつながりは見事で、スポーツカーかと思うほど運転が楽しい。世界中のスライドドア付きミニバンを見回しても走りの楽しさはナンバーワンだ。
その理由のひとつがミニバンとは思えない低い重心だが、単にそれだけではなく操縦性にこだわったサスペンションの味付けも大きく効いている。
走りにこだわるドライバーが選ぶなら、アルファードではなくオデッセイという選択は十分にアリだ。
アウトドアを楽しもうというユーザーにとっては、三菱デリカD:5も魅力的な選択肢。車体サイズはアルファードに比べると小さいが、トヨタ・ノアや日産セレナに比べるとひとまわり大きく、2列目や3列目の居住性もそれらを超える。実用的なパッケージングだ(アルファードには届かないが)。
そんなデリカD:5を、アルファードではなく選ぶ理由。それは道を選ばない、悪条件での走行性能に尽きる。デリカD:5はミニバンとしては異例の最高地上高の高さで荒れた路面や段差に対応するだけでなく、4WDシステムは電子制御による切り替え式で「4WDロック」モードを備えた本格派。その結果として昨今のミニバンの中でもっともトラクション能力が高い。そんなミニバン、現行車の中ではちょっと見当たらない。
キャンプなどアウトドアを楽しむ人はもちろん、雪道も得意だからスキーヤーやスノーボーダーにも強くオススメしたい。
大型ミニバン市場はいま「アルファードを選んでおけば安心」という状況ではある。しかし、あえて選びたくなる”強い理由”を備えたライバルの存在も見逃せない。