冷やすためのサブエンジンを積んでいる車両も
商用車というのは、運ぶに特化したクルマと言えるだけに、さまざまな仕様がある。細かく対応するために、架装メーカーが多く存在し、顧客のニーズにあった荷台を作っている。
たくさんある仕様のなかで、ポピュラーなのが冷凍車や冷蔵車だ。生鮮品問屋が配達に使うような軽トラベースから、冷凍食品などを大量に運ぶための大型トラックまで大きさはさまざま。
疑問に思うのが、停車中はちゃんと冷えているのかということ。エンジンが動いていれば、エアコンと同じであると考えられるので問題ないが、エンジンが切れているはどうなっているのだろうか?
まず軽ベースの場合は、エンジンを切れば冷蔵・冷凍装置も止まってしまうが、近距離のこまめな配達が多いこともあって、それほど問題ではないようだ。また飲食店への配達であれば、すぐに終わることもあってエンジンを切らないこともある。そのほか、問屋が氷やアイスクリームを運ぶために荷台に大きなボックスを載せているクルマを見かけるが、実際にただ載せているだけのタイプもあって、その場合はクーラーボックスと同じで、別でドライアイスを入れたりして低温を維持している。
中・大型トラックでも、同様にエンジンがかかっていないと冷蔵・冷凍装置が動かないものもあるが、走行用のエンジンとは別に、冷やすためのコンプレッサーを動かすサブエンジンを積んでいる場合もある。とくに大型の場合、長距離を長時間かけて運ぶこともあって、休憩を定期的に取ることから、サブエンジンを積んでいる車両は多い。
いずれにしても、すべての車両にサブエンジンを搭載すればいいように思えるが、重量物が増えると、肝心の積載量が減ってしまうし、エンジンがふたつあるので燃費もよくない。停車時の騒音も大きくなるなど、闇雲にとりあえず付けておけばいいというわけではなく、ユーザーの使い方に合わせて選べるようになっている。
さらにスタンバイユニットと言われる、装備も用意されている。これは倉庫や駐車時にも冷やすために、外部電源が接続できるようになっているもので、長時間積みっぱなしでも問題ないし、アイドリングが抑えられるので環境にも優しい。