この記事をまとめると
■よく聞かれる3つの添加剤について述べている
■オイルとガソリンについては「必要不可欠」なものとはいえない
■いまどきの樹脂製燃料タンクのクルマに水抜き剤は不要
エンジンオイルには添加剤も含まれている
手軽に高性能、手軽に長寿命化を謳う各種添加剤は、今も昔もクルマ好きにとって気になる商品。
アレって効果があるのかないのか? 入れることで問題はないのか?
そうした添加剤の疑問について考えてみよう。
1)オイル添加剤
エンジンオイルにおいて、エンジンの保護性能と低フリクション性能は、トレードオフの関係にある。
低温から高温まで、さまざまな状況でエンジンを守るために、エンジンオイルには、清浄分散剤、粘度指数向上剤、極圧剤、酸化防止剤、流動点降下剤、消泡剤など、数種類の添加剤がはじめから入っている。重量比でいえばベースオイル70~80%に対し、20~30%が添加剤といったところ。
要するに、有効かつ必要な添加剤は、すでにオイルに含まれているということ。
以前、エネオスのオイル開発者に取材した際、「ベースオイルと添加剤のバランスは微妙なので、何か一種類の添加剤をあとから追加するのはおすすめできません」と語っていた。
いってみれば、製品化されたエンジンオイルに、市販の添加剤を注入するのは、ブレンデッド・ウイスキーに、好みのシングルモルト・ウイスキーを足すようなもの!?
おそらく添加剤を加えても、致命的なダメージを与えるようなことはないだろうが、野暮で無粋な感はある。
なかには、燃費向上や出力向上に効果があったという添加剤もあるだろうが、自動車メーカー、オイルメーカーともに、効果や信頼性を確認しているものではないので、誰がその性能を担保するかは……。
個人的に得たその情報が信頼できると思えば試してみるのもオーナーの自由。気軽なドーピング(?)で、魅力的に思えれば使ってみてもいいと思うが、筆者なら添加剤を足すより、ワンランク上のオイルを入れることをチョイスする。