メルセデス・マイバッハからSクラス&GLSが登場! 「自ら運転したくなるショーファードリブン」の中身とは (1/2ページ)
自ら運転しても楽しいラグジュアリーモデル!
2021年7月1日(木)、メルセデス・ベンツ日本は、「メルセデス・マイバッハ Sクラス」、「メルセデス・マイバッハ GLS」を発表した。
メルセデス・マイバッハはソフィスティケイテッド(洗練された)・ラグジュアリーを極めるメルセデス・ベンツのサブブランド。究極のハイパフォーマンスを体現するメルセデスAMG、そして電気自動車のメルセデスEQととともにグローバルで展開されている。
メルセデス・ベンツ日本 代表取締役社長 兼 CEOの上野金太郎さんによると、「両モデルともに後席の居住性を向上しているが、ショーファードリブンとしてだけでなく、オーナー自身がハンドルに握って運転を楽しむこともできる。週末は家族を乗せてドライブなど、さまざまなシーンで活躍してくれるはずだ」とのこと。
では、両モデルの詳細を見ていこう。
メルセデス・マイバッハ Sクラスのエクステリア
フロントのショートオーバーハングとリヤのロングオーバーハングという、セダンの伝統的様式に沿ったプロポーションを備える。
立体的なトリムが際立つフロントグリルはマイバッハ専用となっており、中央上部には「MAYBACH」の文字が刻まれている。
クロームで仕上げられたフロントバンパーのエアインテークは、左右方向のボリュームを強調。Cピラーには固定型のクォーターライトとマイバッハブランドのエンブレムを配置する。
ドアハンドルは格納型とし、見た目と空力性能を向上。また、フロントドアを開いた際に、足もとの地面にマイバッハブランドのエンブレムをLEDで投影するブランドロゴプロジェクターライトを採用している。
ホイールは20インチの鍛造のディッシュタイプアルミホイールを標準装備し、オプションで21インチの鍛造マルチスポークのアルミホイールが選択可能だ。
リアにはツーピース型コンビネーションランプを装備。リアバンパーとエキゾーストエンドも専用の意匠とし、重厚感あるデザインとなっている。
メルセデス・マイバッハ Sクラスのインテリア
インテリアはデジタル、アナログ、ラグジュアリーの融合と調和が図られている。
12.3インチのコックピットディスプレイの表示モード「マイバッハ」では、メーターの周囲と指針にブランドカラーのローズゴールドがあしらわれている。システム始動時にはコクピットディスプレイとメディアディスプレイに専用のアニメーションを表示。
アンビエントライトには新たにメルセデス・マイバッハ Sクラス専用の「ロースゴールドホワイト」と「アメジストグロー」の2色が追加されている。
シートは新型Sクラスを踏襲した上で、ダイヤモンドパターンとダブルシームを加え、前席バックレストの背面には上質なウッドパネルとアンビエントライトを採用。
アクセル・ブレーキペダル、ヘッドレストクッション、フロントシートバックレストにはマイバッハブランドのエンブレム、ステアリングホイールやイルミネーテッドステップカバーには「MAYBACH」の文字が刻まれている。
メルセデス・マイバッハ Sクラスの後席の快適性
新型メルセデス・マイバッハ Sクラスは新型Sクラスのロングモデルよりもホイールベースが180mm長くなっており、その延長分のすべてが後席の拡充に充てられている。
後席左右のエグゼクティブシートは座面とバックレストを別々に調整することができ、バックレストのリクライニング角度は最大43.5度、もっとも起こした際は19度に設定。リクライニングポジションにした場合、着座認識機能によって、誰も着座していないことを確認すると助手席シートは自動的に前方へ移動する。
助手席のバックレストは改良型のヘッドレストにより従来よりもさらに前方に26度倒れるようになり、後席からの前方の視界を拡大。
フットレストを助手席側背面に、レッグレストを左右後席下にそれぞれ設け、両方を使うと身体のほぼ全体を支える快適なリクライニングポジションとなる。レッグレストは調整範囲が従来と比べて約50mm拡大した上に、新たにふくらはぎのリラクゼーション機能を採用。
また、4人乗り仕様のファーストクラスパッケージを選択すると、後席が左右独立シートとなり、クーリングボックス、格納式テーブルやシャンパングラスが装備される。
さらに、サスペンションやパワートレインのセッティングを切り替えることが可能なダイナミックセレクトのモードには、「コンフォート」よりさらに快適性を重視した「マイバッハ」が新たに設定された。
メルセデス・マイバッハ SクラスのE-ACTIVE BODY CONTROL
フルアクティブサスペンションのE-ACTIVE BODY CONTROLをオプションで選択することができる。AIRMATICのシステムをベースに4輪それぞれに48V対応のアクチェーターを追加することで、スプリングレートとダンパーの減衰力の個別制御を可能とした。
ロードサーフェススキャンはステレオカメラで前方の画面のアンジュレーションをモニターし、あらかじめダンパーの減衰力を演算して準備する機能。これによりタイヤへの初期入力から適切に減衰させるとともに、ばね上にその振動を極力伝えずフラットな乗り心地を実現する。ダイナミックカーブ機能のCURVEでは、コーナリング時のロールによるばね上の傾きを修正し水平になるよう制御。
また、衝突安全性に寄与する機能も採用されており、側面衝突の可能性があるとクルマ側が判断すると、運転席/助手席のバックレストのサイドサポートに内蔵されたエアクッションが膨張してドアと乗員の間をサポートするだけでなく、E-ACTIVE BODY CONTROLが瞬時に車高をあげ、サイドシルでも衝撃力が受け止められるようにする。
メルセデス・マイバッハ Sクラスのリアドアの電動開閉機能
後席ドアには電動開閉機能を標準装備。これにより傾斜のある場所などでも容易に開閉することができる。ルーフライナーに設置したプッシュスイッチや、車外ドアハンドルのセンサーに触れて閉めるなど、複数の開閉方式に対応。またアクティブブラインドスポットアシストがMBUXに統合されたことで、後方から歩行者が近づいてくるのを検知すると自動的に停止するなど、安全性も確保されている。
メルセデス・マイバッハ Sクラスのアクティブロードノイズキャンセレーション機能とノイズ低減
高い静粛性を実現した新型Sクラスに加えて、リアホイールハウス周辺部に発泡吸材を追加。Cピラーのクォーターライトに使用する合わせガラスの厚みを増し、さらにノイズ軽減タイヤを採用する。
また、さらに静かな室内空間を実現するアクティブノイズキャンセレーション機能をオプションで用意(Burmester 4Dサラウンドシステム選択時)。アクティブノイズキャンセレーション機能は、ヘッドフォンのノイズキャンセリング機能に似た仕組みで、逆位相の音波を発生させることによって不快な低周波ノイズを低減する。
メルセデス・マイバッハ Sクラスの4MATICとリア・アクスルステアリング
全モデルに「9G-TRONICオートマチックトランスミッション」を採用。1速から9速までの広い変速比幅によって、エンジン回転数が大幅に低減し、優れたエネルギー効率と快適性を実現する。
また四輪駆動システム「4MATIC」についても全モデルに採用し、どのような路面状況でも安定した走行が可能となっている。
従来、ボディが大きいメルセデス・マイバッハ Sクラスでの四輪駆動システムの採用は、後輪駆動と比べて小回りが利きづらくなるというデメリットを伴ったが、後輪操舵システム「リア・アクスルステアリング」を採用することで、そのデメリットを解消した。
駐車の際などの非常に低速な範囲では最大約10度リアホイールを傾け、駐車時の小回り性能を向上。約60km/h以下では、リアホイールをフロントホイールとは逆方向に最大4.5度傾け、日常の走行シーンでの取り回しを向上する。約60km/hを超えると、リアホイールをフロントホイールと同じ方向に最大3度操舵することで、走行安定性を高める。
このリア・アクスルステアリングの採用により、従来のメルセデスの美徳である小回り性能を犠牲にしないだけでなく、中高速域での安定性や四輪駆動によるメリットも並立させた。
メルセデス・マイバッハ Sクラスのパワートレイン
「メルセデス・マイバッハS 580 4MATIC」には3982ccのV型8気筒ツインターボエンジン「M176」に48V電気システムとISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)を組み合わせたユニットを採用。エンジン単体の最高出力は503馬力、最大トルクは700N・mだが、ISGによりプラス20馬力と200N・mを短時間発生することが可能だ。
「メルセデス・マイバッハS 680 4MATIC」が搭載するのはメルセデス・ベンツのフラッグシップエンジンとも言える5980ccのV型12気筒ツインターボエンジン「M279」。最高出力612馬力、最大トルク900N・mという余裕あるパワースペックを備える。
メルセデス・マイバッハ Sクラスの価格
「メルセデス・マイバッハS 580 4MATIC」は2648万円、「メルセデス・マイバッハS 680 4MATIC」は3201万円(税込)となっている。
続いて、メルセデス・マイバッハGLSについて解説していこう。