【試乗】「特別感のなさ」がメルセデスの回答か! コンパクトEV「EQA」の圧倒的な乗りやすさ (1/2ページ)

急速充電にも対応して日本の道でも使いやすい!

 世界的な潮流であるカーボンニュートラルに対してのメルセデスの回答がこれだ。高性能大容量のリチウムイオンバッテリーを搭載、力強い動力性能と航続距離を誇る。EVの名称であるEQシリーズのなかではもっともコンパクトになるEQAも同様に、性能の点での妥協はない。

 搭載するリチウムイオン電池は66.5kWh。EQAをメルセデステリーズの流儀にならって、価格を抑えたエントリーモデルだと解釈すると、その意外性に驚かされる。66.5kWhのバッテリー容量はつまり、WLTCモードの航続可能距離に照らし合わせれば422kmとなる。シティコミューターとしての範疇ではとてもなく、ロングドライブもこなせる計算だ。足は長い。現実的には日帰り程度が守備範囲だろうが、自宅のガレージで満充電をすれば、1日の移動範囲であれば無充電で走破出来るのである。

 チャデモに対応しているのもありがたい。高速道路の50kW急速充電器でも補充電が可能なのだ。もちろん自宅の普通充電も受け入れることはいうまでもない。

 全長は4465mm、全幅1835mm、全高1625mm。日本の道路環境にはちょうどいいサイズ感だが、目の前で眺めると堂々たる体躯は存在感がある。フロントマスクは内燃機関のモデルがそうであるようなメッシュではなく、樹脂で覆われている。という点がまず最大のEQシリーズであることの識別点だが、そのラウンドしたフォルムは思いのほか立派に見える。EQシリーズのエントリーモデルとは感じない。

 じつは走らせた印象も、エントリーモデルのそれではまったくない。バッテリーはけして軽くないから、走りに落ち着きがある。バッテリーを床下の低い位置に薄く広く搭載していることで、結果的に重心が低く、それがネガティブな意味の「重さ」ではなく、ポジティブな「重厚感」に置き換えられているのだ。


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