アメリカの「25年ルール」による影響は無視できない
旧車の価格高騰が止まらない。ネオヒストリックと呼ばれる1980~90年代のモデルも含めて、もはや新車時を超えるプレミア価格となっていることは珍しくない。その象徴といえるのが日産スカイラインBNR32 GT-Rで、最低でも500万円、上コンディションの個体では1000万円を超える中古車価格をつけていることは珍しくない。
そこまでいかなくとも、10~20年前が底値となっていて、多くのネオヒストリック車は価格を上げている。新車当時は、それほど貴重とは思われていなかったような大衆モデルであっても中古車相場は上昇している。
その背景にあると、よく言われているのが、アメリカの「25年ルール」だ。ご存じのように、アメリカでは右ハンドルの輸入車は基本的にNGとなっているが、製造から25年を過ぎると自由に輸入できるようになるという決まりがある。
これによって、スカイラインGT-Rのような日本専用モデルの価値が世界的に上がっているのだ。逆にいうとアメリカでも販売されていたモデルについては、そこまで相場は上がってこない。たとえばホンダ初代NSXについていえば、まだまだ新車価格を超えるレベルに達していないのは、そうした背景を考えると理解できるだろう。
とはいえ、日本は資本主義である。そうした社会において中古車価格というのは需要がなければ上がることはない。アメリカでも同様で、ネオヒストリックを含む旧車を求めるユーザーが多いからこそ価格が上がっているのだ。
そこにはいくつかの要素があげられる。
大きく影響しているといわれるのが、プレイステーションのドライビングシミュレーションソフトである「GT(グランツーリスモ)」シリーズだ。このソフトによって、世界中のクルマ好きがスカイラインGT-Rのような日本限定のレジェンドスポーツカーの存在を知り、それが実車の価値を高めた。