1リッターモデルでもマイルドハイブリッドで鋭い発進加速
驚くのは、動力性能にも及ぶ。エンジンバリエーションは2種類。110馬力を発揮する直列1リッターターボと、150馬力の直列4気筒ターボ。1リッターモデルは3気筒であり1.5リッターでは4気筒になる。
特徴的なのは48Vジェネレーターと合体させていることだ。アイドルストップからの始動や低回転域のアシストを兼務するマイルドハイブリッドだから、内燃機関が苦手とする極低回転域のトルク不足を補う。発進の瞬間からするすると、排気量を感じさせない推進力を見舞うのだ。
排気量は抑えられているから低回転トルクが細いはずだ。ターボチャージャーも回転式のレスポンスを苦手としている。そのウイークポイントを見事に、48Vジェネレーターが補っているのだ。
動き出しの初期から高回転までトルクの谷や山らしい抑揚がなく、どの回転域からでも伸びやかに吹け上がる。しかも、電光石火の7速DSGと組み合わされているから、シフトチェンジも小気味よい。経済性を高めながらも、エンジンを回す喜びを味合うことができるのだ。
さらに感動的なのはその操縦性だ。1リッターモデルに組み込まれているトーションビームでさえ、目の覚めるような軽快な走り味を披露する。
より走りを重視した1.5リッターにはマルチリンク式がおごられているのだが、そこまで贅沢なサスペンションシステムでなくてもコーナリング性能は高い。
どこまでも旋回速度を高めていっても破綻することはない。FF特有のアンダーステアが顔を出す場面もなく、テールがスライドする気配すら感じない。操縦安定性が驚くほど整っているのだ。
トーションビームの直列3気筒1リッターモデルでさえ目の覚めるようなハンドリングなのだから、マルチリンクのリヤサスを組み込んだ直列4気筒1.5リッターモデルがさらにスポーティなのは想像に難くない。
スタイルは伝統をはずさず、インテリアは近代的に進化した。それでいて環境性能が格段に高められ、だというのにハンドリングが際立っている。全方位的にはバランスが整っているのだ。粗を探すことのほうが難しい。
つまりまたあらためて新型も、世界のユーザーに支持されるに違いない。国民車でい続けること、確定である。