航続距離の延長にも効果を発揮!
そして近未来で見てみると、V2V(ビークル・トゥー・ビークル:車車間)やV2I(ビークル・トゥー・インフラストラクチャー:路車間)、さらにその他も含めたV2X(ビークル・トゥー・エックス:クルマと何か)で威力を発揮する。位置情報も含めて、個々のクルマが常に通信していれば、見通しの悪い交差点内での警告などに活用できる。
ただ定置の小さな範囲ではほかの電波帯を使用することも可能なので必ずしも5Gでなくてもいいが、5Gで一番威力を発揮するのは車車間だ。すでにソフトバンクが自動運転でのトラックの隊列走行に使用して世界で初めて成功しているし、スバルと共同で、高速道路での合流も5G回線を使いながら、自動運転車の合流支援に成功している。
メリットは車両自体の制御にもあって、走行時はさまざまな指示や判断を車載のコンピュータで行っているが、通信能力が増強されれば、この部分は外部のクラウド内に置いたシステムで行い、結果を超高速通信で車両に送ることができるので、個々のクルマごとに大量のCPUを搭載しなくても済む。現在、オフィスや家庭で、PCやスマホ内で完結せず、クラウドを利用したシステムが広がっているが、同じことがクルマでも可能ということだ。
また、自動運転化と電動化は切っても切れないが、車載システムでの制御が減れば消費電力もセーブできるので、航続距離の延長にも効果を発揮する。究極的にはクルマにはモーターとバッテリー、送受信機器と走る・曲がる・止まるの命令を実行するシステムだけを搭載し、その他の判断はすべて外部で行って、制御するという、ラジコンのようなことが可能になるかもしれない。つまり人間はナビのボタンを押すだけ。この中心にあるのが5Gであり、すでに検討が始まっている6Gということになる。