単に「動画を落とす」のが早くなるだけじゃなかった! 5G通信が「クルマ社会」に与える強大なインパクトとは (1/2ページ)

コネクト機能が強化される

 ご存じのように、携帯電話で5G回線のサービスが始まっている。5Gの特徴は超高速、超大容量、超大量接続、超低遅延の4つで、4GのLTEと比べて速度は100倍以上。負荷がかかる重い動画でもアッという間にダウンロード可能になっている。まさに夢のような回線なのだが、メリットはスマホでスムーズに動画を見たり、音楽を聴いたりできることだけではない。さまざまな分野に恩恵をもたらしてくれるのだ。

 まず現状ではコネクト性能の強化だ。最近は車載しているのは通信システムとモニターのみで、コンテンツはダウンロードして利用する、ディスプレイオーディオが増えてきているのはご存じだろう。回線が命なので、5Gになればこの機能は飛躍的に高まるのは想像に難くない。

 回線が早ければ外部のクラウドで処理した膨大な情報によるリアルタイムでの渋滞情報表示や、交通状況に合わせたルートの引き直しがスピーディにできるようになるし、車両システムの負担も大きく減る。負担については、スマホで見るグーグルマップで考えるとわかりやすく、膨大な地図データや検索システムはスマホの中にあるわけではないのは誰もが実感しているだろう。

 超高速で移動しても大容量の通信が可能な5Gのメリットを活かして、レースでの活用も始まっている。NTTドコモと鈴鹿サーキットが提携して、リアルタイムに配信される車載カメラや走行データなどを使った新しい観戦スタイルを提唱していて、さらにゆくゆくは新しい競技にもつなげていきたいともしている。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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