有識者会議では議論されており日本での導入も検討されている
日本の場合、2020年の交通事故死亡者は年間で2839人であり、アメリカは日本の約13倍もの尊い命が自動車事故で奪われていることになる。
このように、欧米では速度超過を軽減することは社会にとって大きな課題であると認識されており、まずは欧州がISA義務化を決断したわけだ。
欧州委員会はISAについて大きくふたつのステップを踏む。
最初のステップでは、法定速度をダッシュボード内に表示し、走行速度が法定速度を超えると音声などでドライバーに警告する。法定速度の認識方法はカメラによる道路標識の認識、またはカーナビの地図情報から自車位置での法定速度を把握する仕組み、あるいはカメラとカーナビ情報の両方を使う仕組みを使う。
さらに、近い将来にはISAは次のステップに移行し、法定速度を超えないようにエンジンとトランスミッションを制御して走行速度を抑制する予定だ。
すでにISAは、欧州での新車アセスメントのEuroNCAPでの評価項目に組み込まれており、今後はISAの詳細な性能評価がEuroNCAPの試験項目に加わる可能性が高い。
一方、日本でもISAについては、警察庁の有識者会議で議論されているほか、新車アセスメントのJNCAPはEuroNCAPを参考する傾向があることから、日本でも近い将来、ISAが義務化されることが十分に考えられる。