構造によって音が異なるためスペースやコストに影響される
危険を防止するためにやむを得ないときや、法令によって警音器を鳴らさなければならない場合を除き、むやみに鳴らすと違法になるクラクション。
ジェントルなドライバーなら、滅多にならす機会はないだろうが、クラクションの音はハイグレードなクルマと大衆車ではかなり大きな違いがある。大衆車の場合、「ビー」と安っぽい音がするに対し、ハイグレード車はもっと深みのある音がする。
むかし、某ビデオマガジンには、「ホーンバトル」と称して、ライバル車種のクラクションの音色を比較するコーナーがあったが、車格のわりにしょっぱい音のクラクションのクルマにはガッカリしたものだ……。
ちなみに、クラクションはイギリスの部品メーカーの商品名(クラクソン)からきたもので、一般的な英語ではホーン。法律的には警音器が正しい名称。
それはともかく、こうした音の違いは、クラクションの構造で決まってしまう。
クラクションには、主に「平型」と「渦巻き型」の2種類があり、普及度が高いのは「平型」クラクション。
「平型」は内部にあるボールとシャフトが触れあった音を、レゾネーター(共鳴板)で増幅する仕組み。
安価で取り付けスペースを取らないので、多くの車種に採用されているが、音が安っぽくなるのが難点。
「平型」をデュアルでつけているクルマは、可もなく不可もなく、「まあ、こんなもんかな」といった質感になるが、軽トラックなど「平型」のシングルのクルマは、弱々しいというか、ちょっと情けないクラクションになる……。