SUVの価値を踏まえたクルマづくりを行ったことで人気を得た
コンパクトSUVのホンダ・ヴェゼルは、2021年4月23日に発売され、5月24日には3万2000台を受注したと発表された。高人気の背景には複数の理由がある。
まずはヴェゼルの商品力だ。今はSUVが人気のカテゴリーになり、なおかつクルマの価格が全般的に高まった影響もあって、コンパクトな車種も好調に売られている。ヴェゼルのようなコンパクトなSUVは、売れ筋の要素を2つ備えるわけだ。
ただしコンパクトなSUVには競争相手も多い。トヨタはヤリスクロスとライズ、日産はキックス、マツダはCX-30やCX-3をそろえる。
競争相手の多い中でヴェゼルが好調に売れる理由は、これらのコンパクトSUVの中で、後席の居住性と荷室の使い勝手がもっとも優れているからだ。ヤリスクロスやCX-3をファミリーで使おうとすれば、後席と荷室が狭いが、ヴェセルなら十分に満足できる。
この優れた実用性は、SUVというカテゴリーの魅力とも合致する。SUVが高い人気を得た理由も、外観のカッコ良さと、居住性や積載性の両立にあるからだ。つまりヴェゼルは、SUVの価値を踏まえたクルマづくりをすることで人気車になった。
そしてヴェゼルの優れた実用性は、燃料タンクを前席の下に搭載するホンダ独自のプラットフォームで実現され、2013年に発売した先代(初代)モデルも同じ特徴を備えていた。