確実に効果はアリ! それでも謎の多いクルマの「リサイクル料金」の中身とは (2/2ページ)

クルマのリサイクル率は年々向上している!

 この他、「情報管理料金」(使用済自動車の適正処理の状況を電子管理するために要する費用)の、130円。「資金管理料金」(リサイクル料金の収受及び管理・運用に要する費用)の290円(使用済自動車引取時は410円)もリサイクル代のなかに含まれている。

 ちなみに、これらのリサイクル料金は、資金管理法人で資金運用されることになっている。

 お上による資産運用というと、年金積立金を運用する独立行政法人(GPIF)の巨額損失のようにろくでもないイメージしかないが、クルマのリサイクル料金の運用に関しては、「日本リサイクルシステム」のホームページに、次のような説明が掲載されている。

『預託金はその運用方法が法律で制約されています。資金管理業務規程に規定された運用の基本方針に基づき、元本確保を前提として安全確実に管理します。具体的には、運用対象資産は国債を中心とした債券とし、満期保有を原則とします。(上記の考え方から、株式は運用対象にしていません。)年度毎の運用計画は資金管理業務諮問委員会(自動車リサイクル法で設置が義務付けられており、専門家や消費者代表等で構成されている中立の第三者委員会)の審議を経て策定し、四半期毎・年度毎の管理・運用状況は資金管理業務諮問委員会に報告し、公表します』

 一応、元本確保をうたっているが、儲けなくてもいいので、手堅く運用、もっといえば運用などせず実費のみを集めて欲しいというのがユーザーの本音ではなかろうか。

 なおこうした自動車リサイクル制度の導入により、クルマのリサイクル率は年々向上しており、2019年にはシュレッダーダストの96.0%、エアバッグ類の94~95%のリサイクルを達成。

 1台あたり最終処分量はわずか7kgしかなく、クルマの不法投棄も、制度導入前(2004年)に比べ、40分の1以下にまで激減した。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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