新型では先進技術も大幅に進化している!
4)ラゲッジ
ラゲッジルームはどうなっているかと言えば、まず、荷物の出し入れやペットの乗降性にかかわる開口部地上高は、実測で先代が650mm、新型は690mmと、40mm高くなっている。それでもSUVの平均値内だから、決して高すぎることはないのだが(CR-Vは665mm)、重い荷物の出し入れ性という点では(新型は段差が減少しているが)、先代が優位だったと言えそうだ。
フロア自体の寸法、高さも先代のほうに余裕があり、筆者の実測では、先代が開口幅1180mm、開口高900mm、フロア幅1000mm、フロア奥行き790mm、最低天井高830mmに対して、新型は同970mm、775mm、1010mm、755mm、780mmと、フロア幅以外は狭く、低くなっているというわけだ。それでもアウトドアをはじめとするラゲッジルームの使い勝手、積載性に大きく影響することはないだろうが、先代ユーザーが乗り換えたとしたら、今まで積めたものが、積めない……なんていう可能性も否定できない。
5)安全性能
基本的な安全装備はもちろん、ホンダセンシングの進化も、新型は著しい。とくに電子パーキングブレーキの採用でACCが渋滞追従機能付きとなり、その作動もホンダ最上級のレベルになったことや、電子パーキングブレーキと合わせて装備されるオートブレーキホールド機能が、なんと、なんと、ホンダ初のメモリー機能付きになったのが嬉しすぎるポイントなのである。
これまでのホンダ車の一部についていた、信号待ちやスーパーマーケットなどの料金所で大いに役に立つ、ブレーキを踏み続けなくても停止保持してくれるオートブレーキホールド機能は、エンジンを切ると、失礼にも勝手にOFFになり、再度、ONにしなければならなかったのである。この点については、直近デビューのホンダeの開発責任者もくやしがっているほどだ。
加えて、ホンダコネクトの便利さ、先進感も新型ならではの魅力と言っていい。デジタルキーのキーとしての使い勝手はともかく、スマホから、あらかじめエアコンを作動させられるリモート操作については、暑い時期、寒い時期に大活躍してくれるに違いない。
6)走行性能
最後に、走行性能については、広く試乗レポートでも報告されているように、新型圧勝と断言できる。先代モデルはそのデビュー当時からモデル末期に至るまで、スポーティーさをアピールしようとしてか、あまりにも乗り心地が硬く、操縦感覚も骨太すぎ、というか、ハードだったのである(モデル末期に登場した、欧州仕様の足まわり、ボディ補強を施したツーリンググレードはすごくよかったのだが)。
しかし新型、とくにAWDモデルは、あえて足まわりをコンフォート寄りにセッティングし、クラス最上の快適、上質な乗り心地を実現しているのである。先代モデルで乗り心地に不満の合ったユーザーが新型に乗り換えるとしたら、ぜひ、FFとAWDの乗り心地を比較してみて欲しい。AWDモデルの走破性の高さとともに、進化幅がより大きい絶品の乗り心地に感動できるはずである。もはや、ハイデッキコンソールがなくなったことや、車幅問題、室内高問題など、どうでもよくなるはずである。
個人的なおすすめグレードは、e:HEV AWD限定、ZかPLaYである。実際に手に入れるなら、ボディカラーは新型ヴェゼルをよりスタイリッシュに見せてくれる、アースカラーのサンドカーキ・パール&ブラックか、TVCMに登場するプレミアムサンライトホワイト・パール&ブラックで悩む。
あっ、2トーンカラーが欲しいとなると、納期の長さに難ありのe:HEV PLaYグレード限定になってしまいますけれど……。