ハンドリングならリヤ駆動! トラクションなら4WD! それでもホンダがFFスポーツにこだわるワケ (2/2ページ)

「FF=曲がらない」というセオリーを打ち砕いた

 そして、このN360以降、半世紀にわたって主力車種をFFで作ってきたことで、FFのシャシー性能、ハンドリングのセッティングに絶対の自信を持っているというのも、もうひとつの理由だろう。

 事実、最初のインテR(DC2)やシビックR(EK9)は、「FF=曲がらない」というセオリーを打ち砕き、ヘタな後輪駆動車より、よっぽど気持ちのいいコーナリングができるということを証明して見せた。

 そういう意味でこの2台は革命的なクルマで、FFにこだわるホンダの技術的な勝利といってもいい。

 こうしたホンダの努力によって、FFでNAエンジン、200馬力ぐらいまでなら、たしかにレイアウトのハンディを越えて、セッティング次第で、楽しく速いクルマは作れることはよくわかったが、それ以上となるとどうだろう?

 シビックタイプRもFK2からターボになって310馬力に。たしかにニュルでは量産FF車世界最速タイムを記録したが、そこに大義はあるだろうか。現行のFK8にもいえることだが、300馬力オーバーのターボ車なら、素直に4WDでいいのでは?

 GRヤリスやWRX、ランエボなどをFF化しても魅力がないように、ここまで大きな車体でハイパワーになったシビックRが、FFにこだわることが、ホンダの自己満足に思えてしまうのは、筆者だけではないはずだ。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

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