ますます進むクルマの自動運転化! 「メンテナンス」の手間も掛からなくなるかと思ったら「逆」だった

メンテナンスの重要性はむしろ高まる

 完全自動運転が本当に実現するかどうかは別にして、着々と機能は高まっているのは事実。以前に比べれば、長距離移動はラクになっているし、突然の飛び出しや踏み違いによる事故防止についても格段に進化している。

 そうなると気になるのがメンテナンスで、自動運転化=メンテナンスフリーのイメージもリンクして高まっているように思える、しかし自動車である以上、メンテナンスが完全にフリーになることはないし、むしろ車両への依存度が高まるゆえにメンテナンスの重要性は高まると言っていい。

 まず簡単なところから見ると、タイヤの劣化はわかりやすいだろう。自動ブレーキやレーンチェンジ、コーナーをトレースしてハンドルを切るなど、最終的にタイヤが大きな役割を担っているのは、現在と変わりない。タイヤが劣化していれば、制動距離は短くなるし、滑り量をモニターしているとはいえ、コーナーで不安定になることもありうる。

 そのほか、実際のところはほとんど使わないアナログのブレーキも緊急時には強く利かせるので、パッドが消耗していると、効果を最大限に発揮できなくなる可能性が出てくる。

 そのほか、これは以前から指摘されているが、ハイブリッドではエンジンが止まっている時間もけっこう長いのでオイルの温度が上がらず、劣化が早いということ。もちろんEVであれば問題ないが、当分の間は電動化といってもハイブリッドも含まれることを考えると、頭に入れておきたいポイントだ。

 また、制動距離などメーカーで想定した規定値の維持が重要になってくることから、使用するパーツも純正もしくはそれに準じるものを使用するのが、保証も含めて重要になってくる可能性がある。自動運転中に事故を起こした場合の責任の所在は徐々に明確化されてきているとはいえ、まだ不透明な部分も多い。そこに対して、たとえばメーカーがよくわからない激安のタイヤやブレーキバッドを付けていて、止まらずに事故を起こした場合にどうなるか? もちろん現状では明文化はされていないものの、将来的には機能を保証できるパーツの選択や装着が義務付けられるかもしれない。

 そのほか、いま体制が整備されつつあるのがセンサー類の点検。実際に正常に作動しているかは見た目ではわからないし、ぶつけて試しみることも不可能なだけに、メンテナンスとしても未知の領域となっている。そのために特定整備という制度が登場しており、車検に関しても車載コンピュータからのデータ呼び出しで行う、いわゆるOBD車検(検査)というものが始まる予定となっている。いずれにしても、今までのメンテナンスは基本としつつ、新しい基準や方法が登場してくるのは確実だろう。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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