ライバル同士の力で誕生した「珠玉のマシン」! メーカー間コラボが生み出した6つの至宝 (2/2ページ)

輸入車と国産車の不思議な協力関係も

4)ロータスが手がけたトヨタ車

 ハンドリング・バイ・ロータスはいすゞだけのものではなかった。1981年に登場したスープラのご先祖、2代目セリカXX(ダブルエックス)の足まわりはロータスがチューニングしていた。カタログにはコーリン・チャップマンが登場するなど、クルマ好きに非常に刺さった。

5)スーパーカーブランドがコラボ! ダイハツ・シャレード・デ・トマソ

 初代シャレードではショーモデルに終わってしまったし、2代目でもショーモデルとしてデトマソ926Rが登場したものの、こちらも市販せず。しかし、市場からはとても好評だったことから2代目ではシャレード・デトマソ・ターボ、4代目でもシャレード・デ・トマソが用意され、市販化された。まずパンテーラやマングスタなど、スーパーカーでお馴染みのデ・トマソの名前がシャレードに付いていてびっくり。

 さらに当時としては高嶺の花だった、モモのステアリングやカンパニョーロ製のマグネシウムホイール、ピレリのP8などが採用されていたことにも痺れた。ちなみにビアンカ(イタリア語で白)と呼ばれる、白いデ・トマソも限定で発売された。2代目のエンジンはベースのままだったが、4代目ベースでは新設計エンジンを搭載して、ステアリングはナルディに。さらにシートにはレカロが付いていて、これにも驚いたものだ。

 なぜこのコラボが実現したかというと、イタリアのイノチェンティにダイハツが1リッターエンジンを供給していたから。イノチェンティの社長をデ・トマソ氏が務めていたのが縁となっている。

6)ポルシェデザインの日本車! スバル・レガシィ・ブリッツェン

 3代目レガシィに限定で用意されたのが真っ赤なブリッツェンだ。当初はセダンのB4のみで、その後、ツーリングワゴンにも設定されたし、人気だったことから4代目でも用意された。精悍で迫力のあるエアロのデザインを手がけのはポルシェデザイン。

 真っ赤なプレミアムレッドが専用色で、ブリッツェンとはドイツ語で「稲妻」のこと。ポルシェデザインはポルシェとは別だし、仕事としてなんでもデザインはしてくれるが、そもそもスバルとポルシェ本体も関係はあった。B4に用意されていたRSKと呼ばれるスポーツグレードの足まわりのチューニングを担当していたし、ヴィヴィオのシフトにも関わっているとされている。もちろん水平対向つながりというのもあるだろう。

 そのほか、最近ではスープラとBMWのZ4が記憶に新しい。こちらは以前からミニ用に1リッターのディーゼルエンジンを供給していたので関係なくはないが、スポーツカーでコラボするというのはまさに寝耳に水といったところ。今後もこのパターンは増えていく可能性もあるだろう。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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