コンセプトカーそのままの衝撃デザイン!
2)いすゞ ビークロス
1993年の東京モーターショーに参考出品されたヴィークロスは、ジェミニのシャーシを流用した比較的コンパクトな今でいうクロスオーバーSUVだった。そのデザインは有機的にラウンドしたボディラインやスペアタイヤを内蔵したリヤゲート、大型の樹脂製オーバーフェンダーなど未来感の溢れるデザインとなっていた。
と、ここまではコンセプトカーにはよくある話であり、そのまま市販車になるということはほとんどない、というのが一般論。しかし、1979年に発表されたコンセプトモデル、アッソ・ディ・フィオーリをほぼそのままの形でピアッツァとして販売したいすゞは、ヴィークロスもほぼそのままのデザインで1997年に販売したのである。
名前こそヴィークロスからビークロスへと変わり、ベースもジェミニからビッグホーン系に変更されてボディサイズは拡大されたものの、コンセプトカーそのもののデザインで市販された同車は大きなインパクトを与えたのだった。
3)三菱 ミニカトッポ
1989年の東京モーターショーに参考出品され、翌年に市販がスタートしたミニカトッポは、7代目ミニカをベースにキャビン部分を圧倒的に背の高い形状にした特徴的なモデル。すでに軽自動車枠いっぱいまで拡大されていたボディを天地方向に拡大し、当時の同社の軽バンであるミニキャブ(標準ルーフ)よりも全高が高くなっていた。
当時はその頭上空間は無駄という意見が多く(着座位置のアップやオーバーヘッドシェルフの装着はされていたが)、母親と子ども向けの特別仕様車などもリリースされていたが、そこまでの大ヒット車種とはならなかった。
しかし、現在ではN-BOXをはじめとするスーパーハイト軽ワゴンが市場を席捲しているのはご存じのとおりで、時代を先取りしすぎてしまった1台といえるのではないだろうか。