華々しいお披露目の舞台でトラブルが発生したが……
■サイバートラックといえば発表会でのハプニング
前述の通り、鉄板剥き出しでケタ外れの耐久性をもつサイバートラック。このモデルに使用されている鋼材はイーロン・マスクCEOが手がける宇宙開発企業「スペースX」のロケットにも使用される予定のものだ。発表会では実際にサイバートラックの耐久性を示すために9ミリの銃弾にも耐えられることを証明するビデオが公開された。
しかし、発表会場でおこなわれた鉄のボールを窓に投げつける実演では、弾き返したもののガラスに大きなヒビが入るハプニングが起こった。これにイーロン・マスクCEOは「ちょっと強すぎたかもしれない」と苦笑い。再び試すも、もう一枚のガラスも損傷した。「でも貫通はしなかった」と主張したが、弱り目に祟り目だ。しかし、スレッジハンマーによるボディ強度デモンストレーションでは、2度ほどハンマーをフルスイングしてもドアに凹みがつくことはなく、イーロン・マスクCEOの面目も保たれた。
下記URLから実演の様子がお分かりいただけるだろう。
https://www.bloomberg.co.jp/news/videos/2019-11-29/Q1PPDC6JTSE801
このハプニングについては、SNSでは「話題性のために故意におこなったのではないか」という憶測も立っているほど。あまりにも想定外の独特なデザインと窓ガラスが割れてしまったからなのか、サイバートラックの発表後、ニューヨーク市場でテスラの株価が7%近く下がったという報道もあった。
「やらせ」なのかどうか真偽のほどは定かではないが、イーロン・マスクCEOは後日談で「良い宣伝になった」と話している。このハプニングによってサイバートラックがより注目を集めたのは確かだろう。ちなみに窓のひび割れをそのままプリントしたTシャツは3800円でテスラの公式グッズとして販売されている。
■発売予定と日本での展開
「本当にこんなクルマを市販化するのか?」という疑問を持たれた方も多いだろうが、テスラの公式ウェブサイトにはサイバートラックのページが用意されており、オーダーも可能。予約金は1万5000円ほどと良心的な価格設定だ。
生産開始はシングルモーターモデルとデュアルモーターモデルが2021年後半、トリプルモーターモデルが2022年後半と発表されている。
搭載する電池容量は公表されていないが、廉価モデルでも一充電あたりの航続可能距離はEPA基準で400km以上と他のEVモデルに劣らない性能を持っているとみられる。
日本で走らせるにはボディサイズの大きさが懸念材料となりそうだが、2017年に国内復活を果たしたトヨタ・ハイラックスが13年ぶりに復活したことからも分かるように、一部のユーザーからの支持はある。しかし、日本でピックアップトラックを登録すると貨物車(商用車)扱いとなるため、車検が毎年必要になるほか、高速料金は中型車扱いで高額だ。こうしたランニングコスト面なども考慮して購入検討してほしい。
■まとめ
2年前に発表され、いよいよ今年末から生産が始まる予定のサイバートラック。その個性的過ぎるデザインには度肝を抜かれたが、同時に興味を引かれた人も多かったのではないだろうか。今年に入り、近い内に続報が発表されるとの報道もある。今後も注視していきたいモデルの一つとなりそうだ。