一般道での扱いやすさにも磨きがかかった
まずはSAVEモードで走る。サーキット走行を可能とするサスペンションは固めに設定されているが、ボディ剛性が高く、また独自のショックアブソーバーチューニング(4HCC)などと相成って、固めながらも快適な乗り心地だ。車体とドライバーが一体となれる「人馬一体フィーリング」が見事に具現化されているのだ。
一般道をゆっくり走っていても、ハイパワーエンジンなのに扱いやすい。低回転域からトルクに溢れていて、また変速タイミング設定が絶妙でドライバーは何も違和感を感じない。普段は乗用車として普通に使える走行特性であることがあらためてわかった。
そう考えると4ドアでハッチバック、後席の居住性も高く、人気ファミリーカーであるメガーヌの素性も持ち合わせていて、サンデーレーサーを目指しながらも普段のファミリーユースにも妥協を許されないユーザー層にはベストマッチしているといえる。
高速道路に入るときに「レース」モードを選択し、レーシーなサウンドとクイックになるターボエンジンのトルクピックアップ、高回転まで引っ張るミッションの変速制御が威力を発揮してラクに速度を上げられた。
今回のモデルから、現在重要視されている運転アシスト機能が備わったことも見逃せない。
レースモードでは起動させられないが、スポーツやノーマルモードではストップ&ゴー機能付き全車速追従可能なアダプティブクルーズコントロール機能を利用してのイージードライブが可能になったのだ。
機能が作動するとレーンを読み込み、前方に車両を発見するとメーター上に車両マークが表示される。車間を任意に設定でき、それらの機能性が優れていて実際に役立つ。サーキット走行を楽しんだ帰路などにはドライバーの疲労を軽減してくれて、安心・安全の確保に大いに役立つだろう。
ワインディング路では持ち前のシャシー性能の高さでライン取りは自由自在だ。4コントロールによる4輪操舵機能により、曲がりくねったコーナー区間、道幅が狭くRの小さなコーナーも少ないステアリング操舵量でクイックにクリアできる。
メガーヌR.S.のようにサーキットに特化されたようなモデルが、じつは一般道でも扱いやすく、機能性に優れているというのは一般的には意外に思われるだろう。だが、こうして実際にメガーヌR.S.を一般道で走らせると、速さを追求したクルマは、どんな速度域でも扱いやすいということがあらためて実感できるのだった。