「リースのみ」って言ってたのになぜ? MX-30のEVが方向転換して一般販売を行うワケ (2/2ページ)

より幅広い人にMX-30を届けるため

「はじめての量産EVのため、販売店の対応などを調整しており、現時点では“リース販売”としか申し上げられない。しかし、一般のお客様への対応も考えています」2020年7月にMX-30の発売を予告したタイミングでマツダはそう説明していた。

 その3か月後、MX-30ガソリン車の正式発表となったタイミングではEVモデルについて「発売」表現が変化。マツダによると「お客様や販売店からEVの期待が高く、販売方法を広げていく考え」とのことだった。

 この記事を書くにあたり、あらためてマツダ広報部に確認したところ、「(リースから一般販売へ変わったのは)より幅広いお客さまに選んでいただけるように、販売方法を広げたからです」とのことだ。

 当初、EVモデルの発売にあたりマツダのなかでも「販売店の急速充電器設置をどうするか」というのが検討項目のひとつだったようだ。そのため、不特定多数のユーザーを対象とする一般販売について熟慮していたと思われる。

 現在、マツダの販売店において急速充電器が設置されている店舗は少ない(筆者の考えとしては全ディーラーに急速充電器があればベストだが、必ずしも置くべきとまでは考えていない)。しかし、それでも多くのお客様にEVを買ってもらえる環境としたということなのである。

 ちなみに、MX-30はEVモデルが先行して開発され、日本で販売されているガソリン車はEVモデルよりも遅いタイミングで開発が始まっている。車体構造自体はEVでもエンジン車でも展開できる構造としてあらかじめ作られているが、じつは「EVモデルから派生したガソリン車」という変わった存在なのだ。

 また2022年前半には、「モーター駆動ながら発電機としてロータリーエンジンを搭載して航続距離を伸ばすモデル」の発売が予告されている。それはメディアでは「レンジエクステンダー」と呼ばれることが多いが、プラグインハイブリッドモデル、またはハイブリッドとなる可能性も拭えない。もしくは、仕向け地によりバッテリー搭載量などを変えて作り分けることも考えられる。


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