潰れてないし空気も入る! 「だから」危険な「スローパンクチャー」の恐怖 (2/2ページ)

目視では発見しづらいから危険

 こうしたスローパンクチャーを、目視点検や運転中の違和感で発見するのはかなり難しい(とくにリヤタイヤのスローパンクチャーは感じづらい)。スローパンクチャーにいち早く気づくためには、TPMS(タイヤ空気圧モニタリングシステム)を使うか、定期的に空気圧をチェックするしかない。

 月に一度は空気圧を点検し、もしも一本だけ他のタイヤよりも20~30kPaも低いタイヤがあったら、スローパンクチャーを疑って、タイヤ専門店に相談しよう。

 スローパンクチャーの場合、「あれ?」と思って、空気を補充すると、一応空気圧は指定数値まで入って、しばらくはそのまま走れたりするケースが多いが、抜けていくスピードは清浄なタイヤよりも明らかに速く、しかも症状が悪化することはあってもよくなることはあり得ないので、素人判断せずに、必ずプロの点検を受けること。

 空気圧は、正常なタイヤでも1カ月で10~20kPaは自然に低下するが、スローパンクチャーしたタイヤは、もう少し早いペースで空気圧が下がっていくし、1本だけ空気圧が低いことでわかることが多い。(空気圧は気温が10℃高くなると10kPa上昇し、気温が10℃下がると空気圧も10kPa下がるが、これは四本のタイヤ全体に現れる変化)。

 タイヤは空気の力で荷重を支えているものなので、適正な空気圧こそタイヤの命(一般的に「タイヤが空気圧に依存する割合は90%」といわれている)。

 空気圧を小まめに点検調整することは、いいタイヤやいいホイールを履く以上に大事なことだということを覚えておこう。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

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