国民性が表れているものも!
出張や駐在、観光などで、海外でクルマを運転したことがある方はけっこういるのではないだろうか。右ハンドルと左ハンドル、それに伴う右側通行と左側通行の違いにはとまどうが、まだこれは想定内。初めて外国でクルマを運転して驚いたルールの代表格と、日本と異なる理由を紹介しよう。
・踏切
日本ではご存じのように、手前で一旦停止して、左右を確認。その昔は窓を開けて音まで聞いていたが、いずれにしても安全確認が最優先となるポイント。一方、海外では、そのまま抜けるところが多い。日本の習慣で止まると、後ろから追突される危険性もあるので、とにかく普通に抜けることが大切だ。
理由はいろいろとあるが、まず日本は鉄道網が細かく発達していて、そこを横切る道路も多い。遮断機や警報機が付いていない踏切もけっこうあって、そうなると一旦停止して安全確認をしたほうがいいのは当然。遮断機が付いている踏切なら突っ切ってもいいのでは、と思うかもしれないが、都市部にも踏切はけっこう多くて、混雑していることもある。つまり前がつかえている可能性もあることから、現在では左右から実際に電車が来るのを確認するというよりも、前の状態をひと呼吸おいてみているというのが正しい。
一方、海外だと都市部では地下鉄が発達していることもあって、ほぼ踏切を見ないし、あっても日本のように路地の先にあるようなことはまずない。あるのはそこそこの幹線道路なので、前の状況も手前からわかりやすく、混んでいれば余裕をもって止まることができる。日本のように、前が進むかと思ったら、急に止まってヒヤリということはないのだ。
・歩行者がいなければ右折可
アメリカでよく見かけるのが、禁止の看板がなければ赤信号でもクルマが来ず、横断歩道を人が渡っていなれば右に曲がっていいというもの。日本の左折に相当するが、これは合理的な考え方に基づくもので、たしかに誰もいないのにずっと待っているのは、無駄だなと思うことはある。
日本でもこれに近い交差点があるが、右折の矢印が出ている間のみ、交差する道路から左折できる。ただし、あくまでも信号による制御なのでいつでもOKというわけではないし、ほんの一部の交差点のみだ。右折の矢印が出ているときは歩行者は渡れないだけに、全国的に基本制御にしてもいいとは思うが、改修の必要があるので、難しいところはある。ただ待っているのは無駄というアメリカに対して、日本ではなにもなくても、指示にはしっかりと従うといった国民性も関係しているだろう。