ブリッピング機能を持つギクシャクしにくいクルマも!
3)ホンダN-ONE「RS」
3台目は、小さくてもしっかりMTの楽しさが味わえる、ホンダN-ONE「RS」に設定された6速MTです。このMT、残念ながら2022年3月で生産終了がアナウンスされてしまった、軽スポーツカーのS660のギヤレシオをベースに、初心者でも扱いやすく、さらに気持ちよく走ることができるようにチューニングされています。
クラッチフィールも、しっかりとした踏み応えはありながら、疲れにくいフィーリングを追求。街中で乗ってもキビキビとして、鼻歌を歌いたくなるような楽しさがあるのです。
そして専用となるメーターには、Gメーターとブースト計も表示されます。コーナリング中などに発生するGがどちらにどのくらいなのか、ひと目でわかるのが面白く、腕を磨く指標にもなると思います。
4)日産フェアレディZ
4台目は、来年にも新型の登場が予定されていますが、まだまだ現行モデルもかっこいい、日産フェアレディZの6速MT。2008年の登場なのでかなりのロングセラーとなっていますが、ショートストロークのシフト操作がカチカチと素早く決まって気持ちよく、気分を高揚させてくれます。
じつはiMTなど最新MTに採用されているブリッピング機能は、このフェアレディZがMT車では世界で初めて、「シンクロレブコントロール」として搭載したのです。そのためダイレクト感はそのままに、ギクシャクしにくく思い通りのシフトチェンジがしやすくなっています。
日産は、次期型フェアレディZにもMTモデルを用意すると明言して、ファンを喜ばせました。どのような進化を遂げているか、現時点で詳細はわかりませんが、大いに期待してほしいと思います。
5)マツダ MAZDA3ファストバック
5台目は、MT初心者というよりはカムバック派の人に乗ってほしい、マツダ MAZDA3ファストバック、SKYACTIV-Xの6速MTです。第7世代となった最新のMTが搭載されているのですが、MTを操作する醍醐味はシフトダウンをいかに自分でうまくやるか、というところだと言わんばかりに、なんとシフトアップ時のみブリッピング機能が付いているところがミソ。
これによって、シフトアップのギヤチェンジが少しモタついてしまったような時に、エンジン回転数を少しだけ落とさずにいてくれるため、ギクシャク感がなくなります。自分でやっても上手にできるよ、という人も、これは一度体験するとさらに上手にできるように感じて、感動モノ。でもシフトダウン時のブリッピング機能はないので、集中してしっかり操作することを楽しむ環境が残されているというわけです。ヒール&トゥをするのが好き、あえてしたい! という人にもいいかもしれませんね。
というわけで、自動化の波が日に日に強くなっている今、なくなる前にMTに乗ってみたいという若い世代や、しばらくMTから遠ざかっていたけど、再び乗りたいという熟年世代にオススメの最新MTモデルをご紹介しました。現在、多くのMTモデルにはヒルスタートアシスト機能が搭載されているので、坂道発進でも昔のように緊張する必要はないでしょう。気軽に乗れて、疲れにくいけど楽しさは健在のMTモデルたち。ぜひ、今のうちに体験してみてほしいと思います。