雨が降っていることだけでなく雨量なども検知することができる
最近ではライトやエアコン、サイドブレーキなど、オート化が進んでいる。便利なのは事実だが、オートを行なっているのはあくまでも車両に搭載された制御システムだけに、人間の感覚とは違いが出てしまうこともあって、たとえばエアコンであれば温度設定や風量など、なかなかうまくいかないことも多い。逆に最近のオートライトは、昼間に点灯していても違和感がないこともあって、不満は減っているのではないだろうか。つまり、進化するにつれて人間の感覚に対してのズレは減ってくるということだ。
現在、オート化のなかで不満が聞かれるのが、オートワイパーだ。雨滴感知式ワイパーとも呼ばれ、あらかじめAUTOにしておくと、雨が降ってきたら自動で動くだけでなく、雨量によって感覚やスピードも自動で調整してくれるというものだ。
どうやって雨を感知しているのかというと、フロントウインドウの上部にあるセンサーの感知範囲に雨粒がないとき、つまりガラスだけのときはセンサーから発せさられた赤外線はそのまま反射されて逆戻りする。雨粒が表面にあると、レンズ効果で一部の赤外線は車外に出ていってしまう。つまり車外に出る率から計算すれば雨が降っているかどうかだけでなく、量も計算できるというわけだ。この結果に合わせてワイパーを動かせばいい。
ただ、理屈通りにいかないのが実際のところで、センサー部分に雨が付かなければ作動しないし、付着にムラがあっても同様に意図とは異なる動きになってしまう。もちろん逆になにかしらの水滴が付けば、突然動き出すことも考えられる。また、撥水剤の有無によっても、水滴の出来が異なるので、作動に影響を及ぼすとされている。
いずれにしてもドライバーは雨の状況などを感覚的に把握しているので、不満は出がち。感度調整ができる場合もあるので調整するか、従来からの間欠ワイパーにするのも手だろう。シンプルゆえに安価にでき、採用が広がっているということもあるので、そこそこ期待程度にしておくというのもありだろう。