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犠牲心が必要! 改善効果が証明された「渋滞吸収走行」の中身と今後の課題

高速道路の渋滞は上り坂とサグ部に集中している

「渋滞吸収走行」という言葉を聞いたことがあるだろうか。

 これは前方で渋滞が発生した場合、もっと手前からペースを落として、車間距離を十分にとり、一定速で走行することで、なるべく渋滞の最後尾に加わらないようにして、渋滞の列が伸びないようにするという考え方だ。

 NEXCO東日本の調査では、高速道路の渋滞の8割近くが交通集中によって発生し、そのうち6割以上が上り坂とサグ部(下り坂から上り坂にさしかかる凹部)で起きている。

 渋滞のメッカとして知られる東名高速の綾瀬バス停付近は、長く緩い上り坂+トンネルで、中央道上りの小仏トンネル付近は典型的なサグ部。これらのポイントで渋滞が多発するのもこのためだ。

 サグ部で渋滞が起きやすいのは、まず下り坂で加速してしまい、上り坂にさしかかると自然に減速……。そこに追いついたクルマがブレーキを踏んで、さらに後続車もブレーキを踏む、ブレーキの連鎖がはじまり、渋滞が発生するからだ。

 それを防ぐために提唱されているのが、「渋滞吸収走行」。

 具体的な方法は下記のとおり。

・カーナビや道路情報板(看板)、ラジオなどで前方での渋滞がわかっているときは、渋滞領域の数km手前から車間距離を広めにとり、サグ部の前半=下り坂では速度を抑えて走る(-10~20km/hぐらい)。

・上り坂区間に入って、流れが悪くなってきても、広めにとった車間距離を活かし、前車が不用意にブレーキを踏んでも、自車はなるべくブレーキを踏まないようにして、流れの淀みを距離で吸収し、後続に渋滞を伝播させないようにする。

・車間距離をとることで、他のクルマが車線を変えて前に入ってくることがあるが、入られても広い車間距離はキープする。

・渋滞最後尾において、停止することなく走り続けられることを目指す。

・常に2、3台前のクルマを見て、自分の前のクルマが動き出したら遅れずについていく(これが重要)。

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