予算が限度を迎えると補助を受けられなくなる
クリーン・エネルギー・ヴィークル(CEV)と呼ばれる、電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池車(FCV)に対する令和3年度の補助金制度が確定している。
このうち、EVについては、国の補助金が最大で80万円となるほか、東京都では加えて45万円の補助が受けられる。合わせると125万円になる。東京都の補助金は前年度まで30万円だったので、15万円上乗せになった。小池百合子東京都知事は、2030年までに乗用車をすべて電動化する目標を掲げており、今年度を「非ガソリン化元年」と位置付けた。
さらに、環境省と経済産業省では、菅義偉首相による脱炭素社会の実現へ向け、EVと再生可能エネルギーによる100%電力の導入や、いわゆるヴィークル・トゥ・ホーム(VtoH)を組み合わせて導入すると、さらに追加の補助を行う。
環境省による、再生可能エネルギー100%導入(この場合は新電力などとの契約が必要)では、EV購入と同時に契約することで、最大80万円の補助を受けられる。さらに、この環境省による補助事業の契約が確認されれば、東京都でも45万円のEV購入補助に加え15万円を上乗せした60万円の補助金を受けとれる。したがって、最大で140万円の補助金になる。
経済産業省によるVtoHの導入では、機器の本体価格の半額(ただし最大72万円まで)、およびそのための工事費として最大40万円の補助を受けられる。
具体例として、VtoHについて積極的な取り組みを進めている日産リーフで試算してみると、リーフはリチウムイオンバッテリー搭載量によって、40kWhの標準車と、60kWhのe+で、補助金額が異なる。EV購入だけだと最大で42万円のところ、再生可能エネルギーによる100%電力の契約をすれば、標準車で73.7万円、e+で80万円の補助金額になる。
これに東京都の場合は45万円が追加され、さらに再生可能エネルギーによる100%電力契約をしていれば、15万円の追加となって60万円となる。したがってリーフの標準車で再生可能エネルギー100%を選べば、133.7万円、e+なら140万円の補助金額になる。その分が、車両価格から差し引かれるわけだ。
日産のVtoHを取り扱うニチコンのパワーステーションプレミアムという製品を購入し、設置するとした場合は、本体価格について39.9万円の補助と、工事費についても最大で40万円の補助を受けられる。工事費は、配電盤と取り付け場所となる車庫までの距離などの状況に応じて異なる。
日産のwebサイトでは、65歳以上の高齢者を対象としたサポカー補助金(10万円)も利用した例として、リーフe+のGグレード(2WD/499.84万円)の場合、エコカー減税の4万8500円も加え、154.85万円の優遇になるとしている。さらに東京都であれば、15万円が追加されるので169.85万円になり、結局、329.99万円で買えるという計算だ。
ただし注意すべきは、こうした補助金制度には予算の限度があるので、予算を使い切れば補助は終了になる。EVの購入意欲があるのであれば、早めの決心が必要だろう。