いま車載専用Wi-Fiルーターが人気! 「車内通信環境」に各社が力を入れるワケ (1/2ページ)

この記事をまとめると

■いま車載用Wi-Fiルーターの人気が高まっている

■パイオニアがカロッツェリアブランドから発売している

■メリットや価格、使用方法について解説する

利用条件を限定した適材適所で安心価格

 パイオニアがカロッツェリアブランドから2020年12月から発売している車載用Wi-Fiルーターの人気が徐々に高まっている。商品型番は、DCT-WR100Dという。本体寸法は、91.5mmm×16mm×44.5mmで、重さは50gと軽い。車内のシガーライターから電源をとる。

 本体にSIMが入っており、通信はNTTdocomoの車内向けインターネット接続サービス「docomo in Car Connect」を活用する。通信速度は下りが最大150Mbps、上りが最大50Mbpsだ。パイオニアの説明では、YouTubeのFullHDで推奨される持続的な速度は5Mbpsのため視聴での問題はないが、ユーザーの利用環境や無線エリアによって状況は異なるとしている。

 一度に5台までの通信機器をつなぐことができる。使用するクルマを特定しているわけではないので、ハードウエアを購入し箱を開け、docomoのdアカウントに登録するだけですぐに使える。

 価格もリーズナブルだ。本体価格は2万7500円で、通信料については1日550円、30日1650円、そして1年間で1万3200円(各税込み)でLTE(4G)によるデータ使用量が無制限で使える。パイオニアの試算では、本体価格と年間契約を2年したと想定すると(2年契約の縛りはない)、月々の支払い価格は2246円となる。

 いわゆる“使い放題”をこの価格というのは確かに安い。自動車メーカーでは、ホンダがEV「ホンダe」などで、ホンダトータルケアプレミアムのなかで車内Wi-Fiサービスを基本パックに対するオプションサービスとして、1GBあたり330円で設定している。そのほか、通信事業各社からWi-Fiルーターは発売されており、また直近では政府が主導する携帯電話通信料の値下げによる新しいサービスパッケージが登場している。

 そうした状況で、カロッツェリア「DCT-WR100D」を価格面で他社サービスと単純比較することは難しいかもしれないが、使用する際に書類などの手続きは不要で、基本料金や解約金もないし、ユーザー自身で利用期間を自由に変えることができる点は大きなメリットだと思う。

 また、走行中の通信状態の安定感の高さが、新車ディーラーオプションでさまざまカーナビなどを手掛けるパイオニア商品として強みである。

 そうしたトータルコストの安さの秘密は、この製品が車載専用であり、利用は走行中、および停車してから60分以内に作動時間を限っていることに起因する。つまり、おもな利用シーンとして家族団欒での移動中に、スマホ、タブレット、備え付けの車内ディスプレイで映画、音楽、ゲームなどを楽しむことを想定しているのだ。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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動物たちとのふれあい
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聖徳太子(多くの人の声を同時にしっかり聞くという伝説があるので)

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